表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/65

プロローグ

初めて連載してみます。優しく見守っていただけると幸いです。



「シェリー…君を愛してる。愛してるんだ…」

「な、なにを...んっ!」


 雨の中、言葉の途中で腕を引かれ、ぎゅっと抱きしめられた。アレクシス様の手は震えている。

 雨のにおいが混ざっても損なわれない、アレク様の良い香りと、優しい体温に包まれ、鼓動が速くなっていく。


「もう、俺を1人にしないで...シェリルがいないとダメなんだ...生きていけない...」


 抱きしめられながら、耳元で震えて少しかすれた低い声に囁かれ、心臓が大きく跳ねた。


「わ、私は...んっ……」


 顎を掴まれたかと思うと、上を向かされ、至近距離で私を切望する黄金色の瞳と視線が絡んだ瞬間、唇を塞がれた。

 


「ずっと俺のそばにいて…」

「アレク、様...」


 唇が離れた後、耳元で囁かれる。甘く切ない懇願するような言葉に目眩がした。再びきつく抱きしめられる。


(認めたくないけれど...もう手遅れなのかもしれない)


 私は今世、恋愛も結婚もするつもりはなかったのに。彼に惹かれている自分がいることも確かで。


 雨に濡れて冷えてきた体に互いの体温が溶け合っていく。


 認めたくない自分と、もう諦めて受け入れている自分と。

 

 内心ぐちゃぐちゃで抱きしめ返すこともできず、ただただ雨の中抱きしめられていた。

 




読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ