3話
『』は初登場の登場人物紹介。モブは除く。
2回目以降は前書きに書きます。
井上達也
大学で経済学を学んでいる。
佐々木康一
達也と同じ大学で経済学部
達也とは小学校からの幼なじみ
「なぁ。達也。今度久しぶりにさ、母校の方行ってみない?」
達也達は午前の講義も無事に終了し、午後の講義にでも向けて腹ごしらえをしていたところだった。
「母校って、高校?」
「高校じゃなくて、中学校の方!」
「んまぁ、いいけど、なんで?」
「昨日きた招待状がちょいとばかし気になりましてね~。それで真相でも確かめない?」
「真相って、そんな大事件でもあるまいし。」
「それもそうなんだけどさぁ。何もなかったらそれはそれで終わり。んで、何もなかったら、先生とかに会いに行けばいいじゃん?どうせ成人の日だし学校も休みっぽいし。多分何人かは覚えてる先生ぐらいいそうじゃん?んね?」
「そうだな、、、それならまぁ悪くはないか、、、あのさ、噂程度の話していい?」
「え。うん。」
「あの辺段々と人減ってきたらしくてさ、結構廃れたんだって。僕達の代のときって、一学年につき40人で4クラスだったじゃん?大体。」
「そうだな。一部40人に満たないクラスがあったかな~ぐらいだったわ。」
「それが、今じゃ、一学年につき30人も満たずに一クラスしかないんだってさ。んで、それの原因が僕達の代かもしくは、そのあたりの代で『裏で』起きた自殺事件らしいんだよね。」
「自殺事件?そんなのあったか?中学に入ってくると、どうしても一学年につき複数人不登校が出てくるものだから仕方ないとは思うけど、自殺事件なんておきたか?学校の生徒全員が集まる集会でも、校長とか先生からそもそも『誰々が亡くなりました。』とか『誰々が転校することになりました』とかなかったし、、、。」
「そう。そこなんだよ。しかもあの中学校っていじめとかってなかったのに。自殺する意図がわからない。」
僕達がいた中学校は小学校からそのまま他の小学校と合併することもなく、中学受験でもしないかぎりエレベーター式なのだ。簡単にいえば、ほとんど変わらないメンツで小中学校の学校生活9年を過ごすことになる。
もう9年もとなると謎の絆は芽生えるものだ。
その絆かどうかは分からないが、身内の情報が回ってきやすい。
『あいつは不登校だ』とか『誰々と誰々が付き合っている』などだ。
「そこの真相も知れたら知れたでいいし。付き合うよ。康一。」
「マジ!?サンキュー!」
その噂を少しでも知れるなら面白そうだし良かった。
康一がいるのもありがたい。康一は人と話すのがうまい。話しかける時も自然にその話題に移行させてくれるだろう。