2話
『』は初登場の登場人物紹介。モブは除く。
2回目以降は前書きに書きます。
「なぁ、あれって...」
康一に肩を小突かれた。康一の差す方に目を向けると、一瞬人混みに紛れていて誰を差しているのかわからなかったが、その人混みの中にたしかに見覚えのある人がいた。
「金剛のぞみ...?」
友人と話しているであろう集団の一人の名前を呟いた。
『金剛のぞみ(こんごう のぞみ)
普通の大学生、達也とは小中学時代の同級生』
「だよな。噂によると、〇〇大らしいぞ。」
「あそこ?噂ではお嬢様が多いとこだよね。」
「そうそう。んまぁ、あそこ学費はこの辺じゃトップクラスに高いからな〜」
「小中時代のいじめのsy」
「そこまで。聞こえてたらどうする」
康一の口をふさぐ。
「ごめんごめんw」
康一が言いかけたことを止めたものの、実際そのとおりだ。
僕達がいた小中はたしかにいじめが横行していた。そして、そのためか、治安も他の地区と比べて圧倒的に悪い。らしい。
なぜ「らしい」なのかは、実際にその場面に立ち会っていないから。見たことないからである。
「まもなく。XX。XX。お出口は右側です、、、」
そんなことを思い出していたら、僕達の最寄り駅に着いていた。
電車の出口のドアが開く時、何か聞き覚えのある声で何かを言われた気がした。
「康一。今、なんか言った?」
「いや?なんも、なんか聞こえたの?」
「そんな気がしたんだけどな〜。」
「気のせいじゃね?たまにはそんなこともあるだろ。」
「それもそうか。」
でも、あの声、どこかで聞いたことあるような気がするんだよな。どこだったっけ?。んまぁいいか。
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井上達也
小中時代から相変わらずだねぇ。
変わっているようで、変わっていない。
かと思いきや意外と正義感とかありそうなのかなぁ、、、?
どうなんだろうねぇ。
佐々木康一
井上達也とよく一緒にいるのはあの時から変わらずじまい。
んまぁ、小中高大も全部一緒ならそうなるのも必然ではありそうかな。
そして、その簡単に口が滑りやすい性格は直らないままなのかな?
その影響で噂はすぐに広がって、「噂」という扱いだけで済んでいたものが、いつしか「本当のこと」のように扱われるようになる。そして、それが「事実」となってしまう。
そう。あの小中学校では。あの小中学校を卒業した生徒とにとってはそうなると思っていた。
byMY