カレンダーの赤いマル
この作品は「なろうラジオ大賞6」応募作品です。
なので、来年のお話にしてみました(*^。^*)
黒板の横に掛けられているカレンダーで明らかな様に、今年のバレンタインは金曜だ!
ご丁寧に誰かが赤マルまで付けている。
「莉緒は今年どうするの?」って真理愛から訊かれたのは……カレンダーを凝視していた私の視線の先を追ったのだろう。
「別にぃ~!真理愛への友チョコは愛を込めるつもりだけど……」
「ホントかなあ~」
「いやに絡みますね、キミは」
「それはね、愛情込めたチョコを一緒に作りたいと思ったからよ!」
「そのココロは?」
「同士募集中だから……」
「して、そのお相手は?」
「……早川くん」
「そりゃダメだ! 私と丸被りだもん!」
「エエエエ!!」
「嘘だよ~! さっきも言ったでしょ! 私、『本命チョコ』は作る気ないモン! だから応援するし手伝うよ!真理愛の事!」
「ありがと~!! 莉緒!愛してる!!!」
「だったら私にも『本命チョコ』頂戴! 真理愛の愛がいっぱい詰まったヤツ!」
「でも私……莉緒みたいに上手く作れないよ」
「そんなこと無いよ! 真理愛の愛がこもってるんだから絶対に美味しい!! さっそく今日の帰りに材料を買いに行こ!!で、今度の日曜に私ん家で作ろっ!」
大切な友達である真理愛を失いたくないから……取るに足らない自分が抱く“早川くんへの片想い”にはフタをして、真理愛の事を精一杯フォローした。
そして14日の夜……
『大成功』のプラカードを掲げたウサギのスタンプが真理愛から送られて来て、私は机の上のスマホを伏せた。
きっと今頃……
私が作ったチョコマカロンを……真理愛は早川くんと食べてるんだろうなあ。
この土日、真理愛はきっといっぱいいっぱいだろうから……数学の宿題は写させてあげようって、プリントに向き合ってはみるけれど……全然進まない……
と、ブルッ!とスマホが震えた。
真理愛のお母さんだ!
私は声を整えて電話に出る。
「はい!莉緒です!真理愛は今、私の家でお風呂に入ってます! そうですね……真理愛に伝えておきます。 そんな事ないです! 私の両親は今、海外だから……真理愛が泊まりに来てくれて本当に嬉しいです!」
想いを遂げた真理愛の……早川くんとの時間を邪魔したくは無いけど、これは緊急!!仕方無いよね!
私は目尻に溜まった涙を拭って、真理愛の電話を鳴らし続けた。
今日はかなり(/_;)なお話でした……
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