変わり者のキミ
今日は、雨が降っている
わたしたちは、二人でベットに横になってる
「キミって、さ・・・変わってるよね」
ふと、わたしはいつも気になってることを質問した。
「そうかい?ボクは、至極真っ当な人間だと思うけど」
少し間をおいてキミは言う
「そういうところも、好きなんだ。キミの・・・さ」
少し照れながら、そうわたしは言った
「外、今はどーなってるかな」
キミは、不安そうに言う
「だれも、いなければいいね」
わたしは、彼女の・・・キミのか細い体を抱きしめる
「・・・ずっと、二人で居たい」
キミは、顔をうずめながら、絞り出すように言った。
「大丈夫、だよ」
わたしは、彼女が苦しんでしまわないように
嫌なことを、思い出してしまわないように
抱きしめながら、そんな言葉を言った
「ボク・・・さ」
キミは、少し照れながら
「あなたと出会えて、ほんとによかった」
わたしの胸にうずくまりながら、そう呟いた。
「好き」
「大好き」
そう言って、私たちは口付けをした。
「ねえ」
口づけした後、キミはこう言った。
「このまま、どっか行っちゃお?」
「だれも・・・ボクらを知らないところに」
突拍子も無く、キミはそう言った。
「だって、さ」
「その方が幸せだし」
キミの言葉に、わたしは、ずっとずっと
悩んでいたんだ。
変わるのが、怖かったから。
「はい、これ」
キミは、置いてあった袋から
航空券二枚を取り出した。
「これ、ボクらの」
「だいじょうぶだよ、ボク、英語死ぬ気で勉強してきたから」
「大丈夫・・・なんとかなるよ、ボク達なら」
キミの言葉に、ふっと、体が軽くなったような気がした。
「ホントに、キミって変わってるね」
今、わたしは、希望に満ち溢れている
「ありがと」
照れて、少し目線を外しながらキミは微笑んだ
「わたし達なら、どこにでも行けるね」
「うん」
2人で見つめあって
「愛してる」
「愛してるよ」
そう言って
わたし達は、また口付けをした。