おじゃまします
ゴールデンウィークが始まったが、始まってから3日間、僕と茜は部活で忙しく休みっぽさはなかった。
あっという間に3人が家に来る日がやってきた。
「弁解めんどくさいんだろうな」
「仕方ないじゃない。こっちのほうが楽に説明できるからこうしたんだから」
「腹くくるしかないのか」
そしてみんなが来る予定の10時になり、インターホンが鳴った。
「はいはい、今開ける」
3人はなんで茜の家なのに明が出るのかと不思議そうな顔をしていた。
「いらっしゃい」
「なんでもう明はいるんだよ」
「ていうか、何がいらっしゃいよ。ここは茜の家でしょ」
「とりあえず中入ろうよ。亮と凛も落ち着いて」
「とりあえず中で話して。ここだとご近所さんに迷惑だから」
「「「おじゃましま~す」」」
「で、全部説明してくれるんだよな?」
「当たり前だろ。今日はそのために集まってるんだから」
僕は亮にそういうと、茜と一緒にすべてを話した。
生まれた時から一緒にいる幼馴染である事、明確にいつから付き合ってるっていうわけではないが互いに相思相愛であること、入学式の日に互いの親が再婚して義兄妹になった事、親は隣の家に住んでてこの家は僕たち二人しか住んでない事などすべてを洗いざらい話した。
「そんな現実じゃあり得ないことが起きたのね」
「羨ましいな~。俺も凛と一緒に2人で住みたい」
「僕も南さんと二人で暮らしたいな」
「本音を言ってしまえば、最愛の人と24時間ずっと一緒に入れるのは幸せだぞ」
「じゃあ、結局どこまで行ったんだよ。やることはやってるんだろ?」
「そんなわけないじゃない。親はそういうことを許可してるけど、私と明でルールを決めて大学生になるまでは絶対にしないってことにしてるから」
「じゃあ結局どこまでなのよ」
「キス止まりだな。でも、家の中を見て回ればわかるけど、一緒に寝てたり色々としてることはわかるんじゃない?」
「僕探検してくる」
「ずるい、俺も」
「亮待って、私もついてく」
そう言うと3人は家の中を探検しに行った。
結局すべてを見終わった後は、遊び部屋に引きこもるのだった。
「なんだよこの天国みたいな部屋は」
「ずるい、私の家にもほしい」
「別に3人ならいつ来てもいいぞ。僕たちが暇な日だったら」
「言質とったわ。ここを私達のたまり場にするから」
「来たい時に来い」
結局僕達のゴールデンウィークのうちの1日は遊び部屋でダラダラするだけであった。
夕方になり、3人がバカなことを言い出した。
「私達一回家に帰って服とか持ってくるから、泊って行っていい?」
「一回家に帰るなら、そのまま帰ってろや」
「だって、この部屋のマンガ今すぐ読みたいんだもん」
「まぁ、部屋は余ってるからいいけどさ。茜もいいか?」
「別にいいけどさ~」
茜はなぜか膨れていた。
「茜ごめんって。2人の愛の巣窟荒らして悪いと思ってるけどさ、ね?許して」
「いいけど条件が一つあるわ。3人は同じ部屋で寝る事。亮と凛を2人だけにしたら、私たちの家で大人の階段上られそうだから、駿にストッパーになってもらう」
「そんなことしねーって」
「大丈夫だって、私たち信用無いわね~」
「学校であれだけいちゃついてるんだから二人が心配するのはわかるわ」
こうしてお泊り会が急遽決まったのであった。