買い物デート
「私は待っていたよ、この週末を」
茜はご機嫌な様子で朝食を準備していた。
「僕も楽しみにしてたよ。なんてったって、茜との買い物デートだからね」
「私も今日が待ち遠しかったよぉ。私が愛してるのは明と休日だからね」
「休日と同類なのは複雑だな」
そんなやり取りを僕たちは朝から楽しんでいた。
「茜、準備できた?」
「待って、髪がなかなかまとまらなくて」
「僕がやってあげるから。何がいい?」
「ポニーテールで」
「おまえ、それくらいは自分でできるだろ。あ、まさかめんどくさくて僕にやらせようとしてたな」
「バレちゃった☆」
「バレちゃったじゃねーよ。仕方ない、やってあげるから」
「ありがとー。明大好き」
「お前の大好きは安いな」
「ひどーい。明にしか言わないよ」
「そりゃそうだ。早く靴はいて出かけるぞ」
僕はそういうと玄関で靴を履き、外に出た。
「明待って~」
茜に甘い僕は、ドアを開けたまま茜を待ち、手をつなぎながらショッピングモールへ向かった。
「早くベッド見よーよー」
「あわてるなって」
「サイズとかどうする?」
「値段の方が先じゃないか?今月のお金には手を出してないけど、そんなに使えないだろ?」
「いざとなったら、自分たちの今までのお小遣い使えばよくない?私達、中学の時部活しかしてなかったから結構貯金してるじゃん」
言われてみればそうだった。
父さんは毎月僕に余分なほどまでにお小遣いをくれていたが部活ばかりしていたため、遊んでお金を使うようなことはなかった。
月1万5000円もらっていた僕は、せいぜい使っても5000円くらいだった。
そのため結構な金額が余っている。
単純計算でも、月1万円残ると考えそれを三年間続けると36万円だ。
しかも、最低でも1万円であるため、大体40万円くらいはあるだろう。
茜も同じくらいあるらしい。
そう考えると贅沢してもいい気がした。
「寝具一式贅沢するか」
「賛成~」
こうして大出費をすることとなった。
店につきサイズを贅沢にキングサイズに決め、それに合うシーツ、布団、毛布を選び、1つずつ枕を買い、多めにクッションも3つほど買った。
総額、なんとびっくり大体17万円。
しかし必要な出費としてしぶしぶ出し、明日家に届くのを楽しみに待つのだった。
寝具を買った後、12時を過ぎていたため昼食を済ませショッピングモールをぶらぶらしていた。
すると茜が本屋の前で足を止めた。
「明、遊び部屋のものが全然ないよ。ほんとか漫画とかいろいろ。ゲームは十分あるけど、紙類が足りない気がする」
「十分あるでしょ。最近は買ってないけど、たくさんあると思うよ」
「最近の本何もないじゃん。新しいの読みたいな~」
茜は僕を横目でチラチラとみてきた。
「わかった。でもここで買っていくと重いしかさばるから、通販で買おう。中古でいいなら安く集まると思うし」
「そうしよう。そうと決まればすぐに帰宅を」
「ちょっと待て、遊び部屋のものが足りないなら、新しく買う本を入れる棚とか、床に座れるようにカーペットとかも買わないとじゃないか?」
「それもそうだね。お店へレッツゴー」
「気が変わるの早いな~」
そういいながらお店を目指した。
正直僕はどんなものを買ってもよかったし、茜のセンスを信じていたため、値段以外は全て茜に任せた。
「買い物は済んだし、今度は早く帰ろ~」
「そうするか、オンラインショッピングの方が楽だもんな」
僕たちはすぐ、帰路についた。
そして茜に3万円分の中古の本や漫画を買わせられたのだった。
お金は減っていき財布が空になってしまい、明日の商品到着を楽しみに待つのだった。
2人の全財産
共有財産:15万円→10万円
明:42万円→35万5000円
茜:40万円→36万5000円
20万円の出費