片付けの後のご褒美
翌日は案の定寝不足だったため、ぼ~っとしながら学校を過ごしあっという間に放課後になっていた。 まだ入学してすぐであったため、部活も委員会もなく新入生は放課後は基本暇なのである。
部活見学に行く新入生も中にはいるが、僕と茜は中学でバスケ部に入っていたため高校でも続けたいと思っている。
しかもこの学校のバスケ部は、男女共に全国大会にギリギリ出場できるかどうかの強豪校なのである。
僕達2人は中学で全国大会に出場をしていたため、高校でも部活に力を入れたいと考えている。
しかし部活以外の高校生活も満喫したいため、ほどほどにしておきたい。
入る部活が決まっている僕達にとって、部活見学はいらないのだ。
僕達2人は放課後になり夕飯の買い物をしてから帰宅をした。
昨晩の約束である、大掃除をしなければならない。
「早く部屋を片付けちゃお~」
茜はやる気に満ちていた。
しかし片付ける部屋は最低でも2部屋のため、どれくらい時間がかかるかわからないため僕はこんな提案をした。
「先にご飯を作ってからゆっくりと掃除をした方がいいんじゃない?あとでドタバタしながら夕飯ってのも嫌だし」
「それもそうね。じゃあ私が夜ご飯を作るから、明は洗濯とお風呂の準備してくれる?」
「了解。時間が余ったら掃除機もかけておくよ」
「ありがとう。よろしく」
僕らの分担作業が始まった。
お風呂の準備はすぐに終わったが、洗濯という問題があった。
茜は何の恥じらいもなく下着を僕に洗濯させるのである。
高校生の思春期男子にはご褒美なのか地獄なのかわからない。
「茜が恥ずかしくないならいいか」と開き直り下着を手に取り洗濯しようとしたが、茜の身長からするとこのサイズの下着はおかしい。
茜は身長が155cmしかない。
しかしこの下着は明らかにDかそれ以上のものだった。
よく茜はそんなものをつけたままバスケができるな、と感心しながら茜の下着を見ていると不意に横から声がした。
「明、何してるの?」
この声は下着の持ち主の声だった。
明らかに声に怒気が込められていた。
「いや、違うんだ茜。弁解させてくれ。ただ僕はこんなに大きいのに、よくバスケができるなって感心してただけだよ。しかも、この大きさも茜の魅力だと思うよ?」
「褒められてても、セクハラにしか聞こえない」
「セクハラじゃないって!!僕は茜の全部が好きなんだなって再認識できたんだから」
「まぁ、いいわ。今度から中身が見えない洗濯ネットに入れるようにするから」
「そうしてくれると助かります」
セクハラは不問となって一安心した。
互いにやるべきことを終わらせたため、物置の掃除に取り掛かることにした。
「茜、基本的に物置部屋に置いてるものは普段使わないものだから何も気にさず捨てちゃっていいよ。正直1つ1つを僕が捨てていくと思い出に浸っちゃって時間かかるから、小物の断捨離は茜に任せた。僕は粗大ごみを中心に外に出してくから」
「わかった。明には何も確認せずに捨てちゃうね」
「任せた」
すべての掃除が終わったのは夜の10時だった。かれこれ4時間ほどかかった。
しかし達成感がすごく、きれいになった部屋を見るとスッキリした。
「ここを好きなように変えてこうね!!」
茜の声はウキウキしていて、それ聞いた僕までなんだか楽しみになってきた。
夕飯を食べ先に僕がお風呂に入り、あがってからソファーでくつろいでいたらいつの間にか瞼が閉じていた。
目を覚ますとそこは茜の膝の上だった。
しかし僕はこんなことで動揺したりはしない。
茜の膝枕は、日常茶飯事なのである。
「茜、膝貸してくれてありがとな」
「これくらいいつでもしてあげるよ。明、今日1日眠そうだったもんね」
茜は僕の寝不足に気づいていたようだ。
「じゃあ、そんな頑張った明にご褒美として耳かきをしてあげる」
「なんだかんだ、茜に耳かきしてもらうの初めてかも」
「茜ちゃんの耳かきを期待してなさい!!」
茜は自信満々だった。
「どう?気持ちい?痛くない?痒いところある?」
「すごく気持ちいよ。全然痛くない。茜の好きなようにしてくれていいよ」
茜の耳かきはとても気持ちいものだった。
茜の柔らかい太ももをクッションとし、的確に耳垢を取り除いてくれるだけではなく、綿棒で耳の中を優しくこすってくれた。
「茜、最高。大好き」
「ありがと。いつでも頼んでくれたらしてあげる」
「その時はよろしく」
僕はそういうと、夢の世界へと落ちていった。