2人のルール
家に残された僕達2人は、とりあえず茜の荷ほどきと部屋の掃除をした。
入れ替わりで空いた父さんの部屋を使ってもらおうと思っていたが、父さんの臭いが染みついた部屋を使わせるのはなんだか気が引けたため、物置部屋となっていた部屋を茜に使ってもらうことにし、父さんの部屋を物置部屋にすることにした。
荷ほどきが終わったのは夕方の6時だったため、買い物には行かず出前を頼むことにした。
夕飯を食べながら僕達2人は互いにルールを作ることにした。
一、家事は2人で分担する
二、夕飯を家で食べられないことになった場合はすぐに連絡をする
三、大学生になるまでは肌を重ねない
四、2人が一緒に住んでいることは隠す必要はない
「こんな感じでいいか?」
「いいんじゃないかな」
「また何かあったら、その都度ルールを付け足していけばいいさ」
「そうだね」
話し合いも終わり時計の針が0時を回っていたため寝ることにしたが、深夜僕達は1つ大きな話し合いをすることになった。
僕は自分の部屋に戻り、ベッドの中に潜った。
「今日1日色々あったなぁ。大変だったけど、何もマイナスになるようなことは無かったし、逆に茜と一緒に住めるなんて最高かよ。思春期男子の夢がかなった」
僕は1人ベッドの中で小さくガッツポーズをし、ゆっくりと目を閉じたのであった。
しかし僕の安眠は、たった30分で壊れたのであった。
深夜1時、僕はお腹のあたりがもぞもぞと重いような感覚がし、目を覚ました。
「明、起こしちゃった?ごめんね」
何とそこには茜がいたのであった。しかも僕は上から覗き込む形になってしまったため、茜の小さな体にある大きな双子山に目が行ってしまった。
大きい、そして眼福です。
「茜、どうしたの?眠れなかった?」
「ううん、違うの。明と一緒に寝たかっただけ」
かわいすぎる。
その上目遣いは反則です。
すさまじい破壊力だった。
「ご飯の時にでも言ってくれればよかったのに。一緒に寝るくらいいつでもするよ」
「私は毎日一緒に寝たい」
「僕もかな。でもね、僕たちのベッドじゃ、2人も乗り切らないんだよね」
「今度大きなベッド買いに行こ。それまでは、明のベッドでくっついて寝るから」
「はいはい、わかりましたよお嬢様。次の週末は大きなベッド買いに行こうね」
「うん!!」
週末デートが決まった。
しかしここで問題が発生した。
「でも、大きなベッドを買ったとして、どこに置く?僕も茜も部屋にスペースないでしょ?」
「部屋ならたくさんあるじゃん。物置部屋とかしてる部屋が3つも」
そうだった。
僕と父さんは男2人というのもあってか、片付けと断捨離が苦手だったため使わなくなったものはとりあえず空き部屋に詰め込んでいたら、いくつもの部屋が物置部屋と化したのだった。
僕達の家はとても広く、5LDKもあるのだ。
「じゃあ、物置部屋をきれいにして、全部2人の共有スペースにする?」
「うん!!」
「じゃあ、明日にでも学校から帰って来てから掃除でもしようか」
「3つの部屋をどう使おうかな」
「1つは寝室、1つは本とか漫画とかゲーム機とか置いた遊び部屋にでもして、最後の1つは捨てても残ったものを詰め込んでおく物置部屋にでもしようか」
「遊び部屋楽しそう。何置こうかな~」
「とりあえず僕達2人のゲーム機全部合わせたらとりあえずほとんどある思うよ。しかも、僕は漫画はだいぶ持ってるし本も十分あるし、茜は僕の持ってないジャンルのものばっか持ってるんだから合わせたら相当あるんじゃない?」
「それもそうだね。想像を膨らませる前に明日から掃除だ」
「明日も学校だからもう寝ようか」
「おやすみ、明」
「おやすみ、茜」
僕達はそういうと互いに抱きしめ合いながら眠りに落ちた。
僕は茜から感じた女の子独特の良い匂いのせいで、興奮のあまり3時まで眠れなかったことは茜には内緒だ。