やっと見つけた。オーク戦!
オークと遭遇し、戦闘になった。数は3体、今回の昇級試験での目標数と同じなので一体とて逃がすことは出来ない。
って言うかオーク三体見つけるって言うだけで昼過ぎまで掛かるってどういう事やねん!絶対ギルド側のミスやろ?一応報告しといた方がええかな?
...まあいっか取り敢えず討伐しちゃうかな。
「もうここまでの道のりで結構疲れとるからなぁ、一気に決めんで!」
「カイン、気を抜いちゃダメよ?初めて戦う敵なんだからね」
む、今のは失言やったな。サリアの言う通りちゃんと気を抜かずに戦わんとな。
サリアはそのまま魔法を使う為の集中に入り、僕はオークに少しでも傷を作る為に走り出した。エリスもしっかり僕が作る傷を見逃さない様に僕を目で追いながら魔力を高めていっている。
「さて、とりあえず狙うとしたら足やな、まずは」
そして襲いかかるのは右か左のオーク、どちらかだ。真ん中を狙って両側から挟撃されたら厄介やからな。まあ、右か左、どっちでもええし、ひとまずは右から狙うかな。
オーク達は僕が走ってきているのを見て、草が燃え驚いていた状態から持っていた棍棒を振り上げ僕を待ち受ける体勢に。
「『纏血・騎槍』!ッラア!」
ボグッ!!
来るとわかっていたからか、僕が纏血をのばした槍で刺すという定番の奇襲にもしっかり対応してきた。
やけどまだもう一回!腕は弾かれてあんまり力は込められへんけど、こっちの槍は血で出来とるからなあッ!
下に弾かれた槍をそのまま弾かれた地点から直角に曲げ、オークの太腿に向かって伸ばす。
今回はさすがに棍棒を振り下ろし、体制の崩れた状態では避けることも弾くことも出来なかったのか、そのまま太ももに刺さり、貫通した。
うん、この分やったらエリスの傷口拡大も必要なさそうやな。
ッボゴガァァン!
お?サリア、僕が一匹のオークを倒している間にファイアボールを左のオークに当てたんやな。サリアもしっかり分かっているのか、きっちり足を吹き飛ばしている。
うん、これやったらしっかり焼けてない状態でオーク肉がとれそうやな。
あと注意すべきなんは手に持ってる棍棒を投げつけられへんか警戒くらいかな?
そんな事を考えていた時、オークが棍棒をその場に投げ捨て、脇目も振らずに逃げ出してしまった。
「カイン!真ん中のオークが逃げてる!急いで追いなさいよ!あたしの魔法はもうちょっと時間が掛かりそうだからッ!」
「了解!『ジャンプ』!『ジャンプ』!『ジャンプ』ッ!」
以前河原で検証した時は普通のジャンプくらいの速度で、あまり役には立たないと思ってたけど、よく考えたらこれ、初速は何メートルか跳ぶ為に結構早いことに気づいてな?
それやったら一歩ごとに『ジャンプ』使っとったら結構早く走れんちゃうか?
ってやって見てんけど、これやばいな。早いには早いけど、あくまでもジャンプやからか制御がめっちゃ難しい!
まあでも、何とかオークの背中まではたどり着けた。あとはオークの背中を切りつけるだけ!
「『纏血・戦斧』!ッリャァァ!」
ザシュ!
めいいっぱい手を伸ばし、何とか切りつけられたのはオークの薄皮プラスα位の傷を与えただけだった。
だが、それでも問題ない。うちには優秀な回復術士?がいるからな!
「エリスッ!」
「「うん、分かってる。『魔法反転』『アンチヒール』」」
魔法を唱えた瞬間、薄かったオークの傷が瞬く間に大きく、致命傷になるほどに大きくなっていく。
ふぅ、あとは足だけ狙って放置しといた2匹のオークにトドメを刺してっと。
ヨシっ!これで戦闘終了やな、解体したら宿屋で早めに休もっかな。