コリンに戦闘を見せる(カイン)
「さ、私の戦闘は見せたんだからあんた達も私に戦闘を見せなさいよね!」
コリンさんがストーンゴレムとの戦闘で自分の戦闘スタイルを見せたあと、僕達の戦闘も見せろと要求してきた。
ま、しょうがないか。コリンさんだって戦いを商売に飯食ってんねんもんなそら僕らも戦闘を見せるのが筋ってもんか。
「分かった、ええよ。ただ、ちょっと僕の方は変なスキル使ってるから引かんといてや?」
「...ちょっとカイン、いいの?あたし達が魔物だってバレるかもしれないのよ?もしバレたらどうするつもりよ!?」
「どうもこうもしやんよ。もしバレてもコリンさんとの関係上、どうとでもなるからな」
「カイン、そんな外道な事、考えてたの?」
おっと、サリアにはバレてもうてたか。まああんな言い方したら流石にバレるわな。エリスもサリアの言葉を聞いてさすがに察し着いたみたいなしな。ちょっと顔色が悪くなってる。
「...えっと、ごめんね?悪いんだけれど相談は終わったかしら?もし終わって無かったんだとしたら少し急いでもらえないかな?向こうからまたストーンゴレムが歩いてきてるんだよ」
え?...うわほんまやん!てかなんで今まで気づかんだんや、うちらのメンバー諸君は。いや、僕もやねんけど。
「すまんすまん、今回は僕が出るわ。ちなみに何となくで分かると思うけど僕が近接、中距離担当のアタッカー。サリアが後衛での魔法担当、エリスが後衛のヒーラーって感じかな?」
「ええ、それはなんとなく分かってたから早く行きなさいな。今回は勿論、君一人で行くんでしょうね?」
「お、おう。勿論そのつもりやってんけど、なんで?」
「一人で行かないと実力がわかんないじゃない!それくらい分かって!」
へいへい、すんませんねー。そんな察しの悪い僕はさっさとゴレム狩ってくるわな。いや、別に拗ねてなんかないからな?そう、まじで拗ねる要因なんてないしー。
「おら行くぞ、石野郎!粉微塵にしたるわ!オラァ!!」
僕はストーンゴレムへと走り出すと共に腕を振り上げ、『纏血』をハンマーの形に変化させる。
多分やけどあんだけ関節が多いと維持するのも大変やろう?って事でハンマーを上から叩きつけてやる。
相手は石製やし、腕くらいは簡単にもげるやろう、との予想。出来たらええなぁ。てか出来るやろ。
「は!?嘘やん。案外あの腕って丈夫いんやな」
叩きつけた腕を見てみると少しひび割れてはいるが思っていたように壊れていないゴレムの腕が。
...絶対あいつストーンって名前なだけで素材は石やなくってなんかめちゃくちゃ硬い鉱石やろ!
てか僕の語彙力よ、流石になんかめちゃくちゃっ、てな。もうちょっといい言い回しがあったやろ、戦闘中とは言え。
まあ、まあ?一撃では壊れんかったけど、何回か当てれば壊れてくれるやろ。
もちろんごレムも対抗して壊れている、いないに関わらず両方の腕で殴っては来ているが膝ほどまである長い腕では足元にいる僕は殴りようもない。
それに関節部分も石で出来ているからかは分からないが振り向きの速度も泥臭いから避けやすィィ!?
「おうぁ!?お前!身体180度回転させんのはずるくね!人型やったら人型らしくちゃんと予備動作入れろや、びっくりするやんけ!」
まあそんなアクシデント?予想外な動きに翻弄されつつも何とかハンマーを当て続けること暫く、ようやくゴレムは活動の限界を超え、停止した。