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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
73/190

パーティ結成記念

あ、アブねぇ!遅刻するとこやったぜよ!

「おかえりなさい、今日の晩御飯はどうなさいますか?」


 この人はこの街に着いてからお世話になってる宿屋の女将さんで、今日のパーティの料理を作ってもらう料理人でもある。まあ、追加料金はちゃんと掛かんねんけどな。

 ちなみに料理を頼まんだ時の料理は女将さんの気分で決まる。昨日の晩ご飯は肉じゃがみたいな奴やった。


「ボア肉狩って来たんでこれの調理をお願いします。ちなみに料理は生姜焼きと串焼きでお願いします。あとドレッシングとかもあったら分けて貰えませんか?」


 ちなみに料理で何を作って貰うかは帰りの道中で3人と議論して決めた。最後までステーキ派のサリアと生姜焼き派のエリスと僕で揉めたがステーキはまたボアを狩れば野外でもできるって説得して、生姜っていう薬味まで使わんとあかん生姜焼きにしてもらう事に成功した。


「生姜焼きと串焼き、あとドレッシングですか...。そうですねドレッシングならば青じそで作って見たものがあるのでそれで宜しければ提供させていただきますが?」


「青じそで作るの?って言うか青じそって何?」


「青じそか?...まあ食って見たらわかるわ。ちょっと表現しにくいから取り敢えず食って?」


「取り敢えずそれはいい。料金は?」


「はい、そうですね。この時間ですから銅貨6枚でどうでしょうか?」


 銅貨6枚と言うと一般的に売っているオーク肉の串焼き2本で銅貨3枚やから、めちゃくちゃ安い。もう夕方で忙しい時やのにこれ料金って普段どんだけ少ない料金とってるんや?よう運営ができてるわ。

 正直銀貨に届くかな、って思ってたからこの頃は大分けち臭くやってる自覚はあった。でも銀貨を出すってなるとそうするしかなくってたからな、正直僕らのパーティランクじゃ実入りのいい依頼は受けられんし、さらに依頼で貰った数少ない金は宿代とか装備の整備で消えていってたからな。

 ちょいこの前まで水筒があの例の森で自作した水筒を未だに使ってたんやからびっくりやんな。


「そや、これからの冒険なんやけどさ、冒険者ランクが上がってちょっと余裕が出来てきたらさ、なんかあった時のために貯金を始めたいんねん。パーティ貯金ってやつやな」


「何かあった時ってどういう時よ。それだったらあたし達が個人で貯めていってもいいんじゃないかしら?」


「でもな個人で貯めるってなったら大変やぞ?ほぼ常に自分でいくら持ってるか把握して装備代、エリスの魔力が無くなった時のためにポーション代、他にも生活用品とかで結構使うやろうからやっぱりそこはパーティの貯金から崩して、そういう絶対必要なやつはそこから出す、それ以外の趣味の物とかは自分の分で入ってきたやつから出す。って事をやりたいねんな」


「うん、わたしはカインに賛成。個人で管理は面倒臭い」


 お、今回もエリスは賛成か。で、サリアは反対っと。まあどっち道パーティ用の貯金ってのは絶対必要やしな、何としてでも説得させやんと!


「お待たせしました、豚のしょうが焼きとドレッシングです。串焼きはもう少しお待ちください。あと十分程で完成しますので。そう言えばアルコールはどうなさいますか?」


 アルコールか。そう言えばこの肉体?って言うか身体は何歳設定なんやろ?ここ異世界なんやし、あんま年齢とか関係ないかもしれんけど、やっぱりそこは元日本人!昔の法律でもあかんって僕の常識ではなってるのですよ!

 まあ、サリアとエリスまでつき合せることは無いから一応聞いとかなあかんとは思うけどな。


「いや、いいです、僕はね。2人は?」


「ううん、エールとか言うやつよね?よく冒険者ギルドで飲んでる人見るけど、ちょっとああなるのは怖いからやめとく」


「あたしもいいや」


 確かにな。昼間っからギルドで酒かっくらって潰れとる奴とか偶にその場で寝ゲロしとるヤツおるからな。そういう奴見てるとやっぱり怖いよな。いや、実際僕も怖いし。僕はたとえカウボーイに酒場でバカにされてもミルクだけ飲んでる系の人になるかもな。マスター牛乳一つ、みたいなね!


「じゃあ早速食べましょうか!パーティ結成おめでとう!いただきます!」


「「いただきまぁす!」」


 お!この生姜焼きうま!ちゃんと地球の時みたいに既に削ってある奴とかを使ってないからか何なんかはよう分からんけど、生姜のいい香りと猪肉特有の歯ごたえとか、この油が弾けるこの感覚、あぁ!堪らんな!うまっ。


「サリア、生姜焼きにして正解やったやろ?」


「うっ、まあ美味しいのは認めるわ。でも!次は絶対分厚いステーキ何だからね!」


 いや、分厚いステーキって。それ牛肉の仕事ちゃうんか?


「お待たせしました、ボアに塩を振り、炭でこんがりと焼いた串焼でございます」


「お、キタキタ!前に食べたの何だかんだでラトリアに始めてきた時に観光で食った時以来やんな!めっちゃ楽しみや!」


 そして楽しい楽しい時間が過ぎ深夜に差し掛かるまでカインたちは料理と会話を楽しみ続けるのであった。

あれ?メシウマとかするつもり無かったのに...

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