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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
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トラとウマ

「サリアただいまぁ!具合はどうや?ないとは思うけど悪化とかしてへんよな?」


「おかえりエリス、カイン。ええ、カイン達が行ってからも全然変わりなく元気よ、あえて言うならとっても暇だったくらいかしら?」


 良かった。あれから目眩がしてるとかやったらどうしよかな思ったわ。このぶんやったら気絶以上の副作用、じゃないけど反動はなさそうやな。

 あれ?そう言えばエリス、サリアみたいにぶっ倒れて気絶せえへんだな。何でやろ?適正みたいなもんかな?それとも耐性とかがもしかしたらあんのかもしれやんな。


「今度の冒険の時こそ連れてって貰うからね。あっ!そう言えば訓練に行って何か進歩はあったのかしら?」


「ふふん、姉さん聞いて?わたし、『バラバラの心』、まともに使えるようになった。ドヤ」


「えっ、ホントに!?どうやったの?アタシもそんな事だったら無理してでも練習に行けば良かったわ!どうせ暇だったのだし」


 サリアはよっぽど行きたかったようで、しきりにエリスにどうやって克服したかを聞いているが、エリスはエリスでそんなサリアが面白いのか焦らしに焦らしている。まあいつもはサリアがお姉ちゃん、エリスが妹、って感じになってるからな。エリスだって双子みたいなもんやしお姉ちゃんズラしたくなる時もあんのやろ。

 姉妹の掛け合いも見ていて面白いけど、さすがに可哀想やしさっさとエリスに助言をして貰えるように頼んでみよっかな。

 僕は横で見とったけどサリアとはどういう違いがあるんか、とかそう言うのは説明されても分からんかったからな


「エリス、そろそろ教えてあげたらどうや?サリアにも結局は必要な知識になってくるんやしさ。それにエリスがその方法で出来たとしてもサリアがそれで成功するとは限らんし、はよ教えてはよマスターしてもらう方がええやろ」


「...むむ、じゃあ教える、しょうがないから。コツは別れた自分を自分って認識することで...」


 お、エリスが真剣に教え始めてくれた!真剣モードのエリスは普段とは違って必要だと感じたことをちゃんと長文になってでも教えてくれるみたいや。まあ、セリフ考えながら喋ってるからかちょっとタドタドしいけど。


 それから数分たち、エリスはサリアに発動後に真っ先にすること、落ち着いてから、等のコツを全て教え終え、これから早速実践に移るようだ。サリア、ガンバレ!


「フゥー、ハァー。行くわよエリス、ちゃんと手を握っててね『バラバラの心』、発動」


 ...?いくら待ってもサリアはあの独特の動きにはなっていないように見える。まさかあの動きがなくても良いようになったとか?

 まさかそんなわきゃ無いよな。1発で成功する為にサリアがぶっ倒れてからずっと対策をねってたエリスでも数分はカクカクした感じになってたんやもんな。

 いくらやり方伝授してもらって1回はこのスキル発動した事があったとしても一瞬で抑え込むとかそんな甘いスキルな訳ないよな。


「エリス、どうしよう。スキルが発動しないわ...」


「え、何で?どうしよう、もしかして回数制限がある?『バラバラの心』発動」


 エリスがスキル名を言った瞬間、やはりブルブルした後収まったようだこう見た感じ、エリスはしっかりスキルが発動しているように見える。


「どうや?エリス、発動したか?」


「うんカイン」「ちゃんと発動してる」「何で姉さんは発動しない?」「取り敢えず、『解除』」


 やはりエリスはまだ1時間くらいしか立っていないにも関わらず、しっかり発動していたようだ。

 じゃあなんでサリアは発動しやんかったんやろう?


「あ!もしかしてサリア、そのスキル発動すんの怖いとかあるか?」


「え?ええ、確かにあたしあんな事になったばっかりだし、当然怖いわ。でもそれがどうしたって言うのよ?」


「トラウマ、って知ってるか?なんや酷い人やとそのトラウマに関わることに関しては出来やんくなるって話もあるくらいや」


「それがなんだって言うのよ?」


「姉さん、カインは姉さんがそれになってるって言いたいんじゃない?」


 おお、エリスが僕の言い難いこと代弁してくれた!まあ僕も言うて出会って何ヶ月も経ってないからな。

 こういうちょっとデリケートな話はしにくいなぁ、って所あったし。正直サリアにそれがなに?って言われた時はどうしよかなって思ったわ。


「じゃああたし、そのトラウマ?ってのを克服しない限り『バラバラの心』を発動できないってこと?...それはダメよ!何としてでも発動できるようにならないと!」


 それからはしばらくサリアはバラバラの心を発動しようと試みていたようだが、発動の兆しすら見えず結局断念してしまった。


「サリア、ゆっくり克服してけばええわ。どうせ無理に発動しようとしてもよけい発動出来んようになるだけや。何もそんなに焦らんでもな、いずれ発動すべき時になったら勝手に発動出来るようになっとるわ」


「そ、そうなのかしら?でも、絶対に普段から発動の練習をしておいた方がいいわよね?うん、それがいいわ。そんないつか、なんて待ってはいられないもんね!」


 はぁ、結局練習はするんか。あんまり練習しやん方がいいと思うけどな。練習するってことはそのトラウマを思い出し続けるってことやと思うし。


「しょうが無い、カイン。だって姉さんだもん、姉さんと言えば頑張り屋」


 ...確かにな。

みんなはある?トラウマとか。

 ちなみに僕は、あります!


これから1週間また十話書いたので休みますね!

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