依頼の報告!初の給料
「お疲れ様です。依頼の報告でよろしかったでしょうか?冒険者タグをお見せ願えますか?」
「はい、分かりました。ちなみに、今朝薬草採取の依頼を受けたので、その報告に。あと、その道中でゴブリンを11体狩ったんで取り敢えず角と魔石取ったんですけど、それって売れるんですか?」
これでもし売れませんよ、なんて事になったらショックやなぁ。なんて思いながら返してもらった冒険者タグをまた自分の首にかけておく。
「冒険者タグ、ありがとうございます。えっと、先に薬草採取の依頼を処理しておきたいので、薬草を提出していただいてもよろしいでしょうか?」
「あっ、そうでしたね。すんません、ええと、これですね。一応間違いはないとは思いますけど、確認お願いしますね」
なんかこんな確認とかお願いしてると冒険者じゃなくってほかの普通の職業みたいに思えてくるな。
冒険者ってぇとなんか荒くれで薬草取ってきた、ってだけでもサッサと金渡せ!みたいな雰囲気になるイメージがあったしな。...まあそんなことどうでもいいか、僕これでもちゃんと冒険者になれてるしな!
「はい、確認できました。ヒッポ草が16束で銅貨17枚ですね。銀貨1枚と銅貨7枚にできますけど、どうされますか?」
「お、じゃあそれでお願いしますね。えっと!じゃあこれで依頼は達成ですか?」
「そうですね。では次に、ゴブリンを討伐されたとの事でその討伐の際採取したものを出してください」
依頼の手続きをしたところでふと気になり、サリアたちの方を見るとエリスは大人しく座っていたがサリアはだいぶんイライラした様子で指で机を叩く貧乏揺すりをしていた。エリスもこれに続き暇になってきたのか、こちらをチラチラと見てきていた。
これは早く手続きを終わらせなければ...!
「えっと採取物でしたね?はい、ゴブリンの魔石と角それぞれ11個ずつです」
「...はい、確かに。ですがこのゴブリンですが、私が進めさせてもらった森からは出てこないはずです。別の森に入ったんですか?」
え?この人が進めたところにちゃんとついてたはずやんな?この人が言ってた特徴にもバッチリあってたはずやし。
え?て事はこのゴブリン、別の森から来たんかな?
でもなんのために?
「いや、教えてもらった通りの場所に入ってそこから動いてないはずですよ?ちゃんと言われた通りの特徴もありましたし」
「ふむ、では少しおかしいですね。この森では魔物は居ないはずなのですが。...まあいいです、取り敢えず処理をしてしまいましょう。お連れさんも限界のようですし、ね」
うは、めっちゃ恥ずかしい!僕の仲間待つことが出来んお子様みたいやないか!
「えっと、申し訳ないです。ちなみにこの角とかって売れるんですか?」
「はい、主にゴブリンの角は粉薬に加工され、魔石は小型の魔道具の燃料として使用されます。ですがゴブリンの魔石はこの通り、なかなかに小さいので用途が限られてしまいます。そういう事もあり買取価格は比較的安くなってしまいますね」
まあ定番やな。ゴブリンとかのちっちゃい魔石は安くてドラゴンとかの魔石は目が飛び出すほど高く売れる、ってな。
「まあ、そうでしょうね。はい、全然大丈夫ですよ。安くても売れるんならそのまま買い取ってください」
「はい了解しました。ゴブリンの魔石1個につき銅貨2枚、角が銅貨3枚で取引させていただいています。どうされますか?」
「えっと、結構高く売れるんですね!売ります売ります。ぜひ!」
「はい、分かりました。では11体分なので銀貨5枚と銅貨5枚になります」
おお、すげえ!もしかして冒険者って夢とか小説通りでめっちゃ儲かる職業なんか!?
「ちなみになんでそんなに高く売れるんで?」
「女性冒険者からはあまり依頼を受けて貰えないのもありますが冒険者の方があまり解体の本などを読まれないので魔石しか持って帰ってこられないことがあるんですよ。まあ、そういう冒険者様方はあまり大成されないことが多いですが」
へぇ、なるほどな。どの世界行ってもまあ、勉強は大切ってこったな。疲れたし今日のとこは、はよ金受けとって帰るか。
「んじゃ、有難うございました。サリア!エリス!帰んで!」
「やっと終わったの?もうクタクタなんだけど!早く帰りましょう?」
「うん。今日は帰ったら、すぐ寝る。姉さん、一緒に寝よ?」
「いいわよ!一緒に寝ましょう!」
いいなぁ。僕も一緒に寝たい。まあそれしたら恋人でもない人と寝るってんで、ただの変態やけどな。