ゴブリン狩り?
ゴブリン戦が終わり、どこの部位で討伐の証明になるか分からなかったので、取り敢えずの胸部に埋まっている魔石と、頭部に1本だけ生えている角を剥ぎ取った。
そして少し休憩したあとまた出発することにしたのだが、
「カイン、どうする?一旦帰る?」
エリスが一旦帰り、この森に生息する生物のことを聞いてくるか?と聞いてきた。僕も初めての依頼でこの森には何が出るのかなどを聞き忘れていたためだ。
「そやなぁ、まあまだまだ日は落ちそうにないからな。もうちょい捜索してもええんちゃうかな」
「そう?でも魔力が危ないと思ったらすぐに言うから、その時は帰るわよ」
「うんわかった、サリア。でも限界の限界までは言わんとか止めてや。そやなぁ、大体2割くらいになったら言ってな?」
「うん、その時になったら言わせてもらうわね。じゃ、またあたしが先頭でいいわね」
「すまんな、お願いするわ」
「姉さん、お願いね?」
ちなみにここまでで収穫出来たヒッポ草は12束、ゴブリン素材が6体だ。ゴブリンは僕が三体、エリスとサリアが増援で来た三体だ。
目標達成まではまだまだあるけど、ゴブリンの討伐報酬が出るんやったら、ちょっと目標が低くなるかな?まあゴブリン素材がどの程度で売れんのかは知らんのやけどな。
「サリア、ヒッポ草や。またちょっと止まってくれるか?」
「わかったわ。...今回は多そう?」
「そやな、大体3束分位はあるかな?めっちゃ一杯なってるで?」
「いいじゃない!どんどん取っていきましょ!...うん?ちょっと待って!またゴブリンよ!木で良く見えないけど5体はいるわ!カイン、行ける?」
うん、まだ余裕って感じかな?さっきゴブリンと戦った感じやと10体くらいはギリギリ相手に出来そうや。
そやからまあ5体なんて楽勝やろ!
まあでもそう考えたら転生してからめっちゃ戦いに関しては上手くなったな。地球にいた頃はろくに喧嘩もしてへんだのに。こりゃあダンジョンで多対一の特訓したかいがあったわ。
あっと、返事返事、っと
「うん、行ける行ける。今回は二人も後ろから来るかもしれんって思っといてや?僕はもしかしやんでも助けには行けやんからな」
「分かってる、さっきみたいな事には、ならない」
「じゃ、行ってくるわ」
今回は前回と違い、こっちが近づく前にゴブリン達に気づかれてしまっている。ゴブリン達はこっちに走りよりながら、咆哮を上げた!
「ギョオアアァァァ!!」
地上に上がってからやたらお世話になっている『纏血』に魔力を送り、形状を槍のように変えた後、突出気味だった一体に向かって突き出す。
だが、突出気味だったとはいえ、そんなには走る速度は変わらないため、すぐに次のゴブリンがやってくると僕の頭めがけ棍棒を振り下ろしてきた。
あ、やべえ。こりゃ当たるわ、と他人事のように思っいてしまった。
やけどな、今までも散々攻撃をくらいしたけど、進んで当たりたく無いんよな!なんとか攻撃出来ひんか?無い頭フル回転して考えろよ、僕!
纏血はまだゴブリンを貫いたまんまでまだ槍を引き抜けてない。単純な物理攻撃、殴りとかやと体を前に突き出してるから、へにゃパンチにしかならんやろうし、スキル、スキル。なんか使えそうなんは?攻撃はしやんでいいから、とにかく避ける。...!!
「『ジャンプ』!」
よし、避けれた!ついでにゴブリンに刺しとった槍型纏血も『ジャンプ』の勢いで抜けとる!殴りかかった方のゴブリンも全力で殴ろうとしたからか、地面を殴って手が痺れて棍棒を取り落とし、視線も下に向いている。
これ、チャンスでは?
「死ねやオラァ!」
ザグッッッ!
「ギギャァァ...」
おぉう、そんな悲惨な声出さんといてや、なんかめっちゃ罪悪感湧くやん!僕今すぐほかの三体のゴブリン相手にしやなあかんのに!
ほらもう目の前に!ええい、お前に構ってる暇はないんや!どけ!
2体目のゴブリンから槍を引き抜いたあと、さっきジャンプのスキルを使い、前に飛べることに気づいたので、前にジャンプし辻斬りのように3体目のゴブリンの喉を短剣状にした纏血で切りつける。
ただ喉を切り裂いたとはいえ即死では無いのでこちらに怒りの籠った目を向け、棍棒を横薙ぎに払ってくる。
それを横にローリングで躱したあと、4体目のゴブリンに向かって走り、棍棒の一撃のカウンターとして細長く針のようにした纏血で頭を貫いてやった。
5体目のゴブリンは恐怖に駆られ、足をもつれさせながら逃げていくが後ろから飛んできたサリアのファイアーボールでこんがりと焼けてしまった。
2人の方を見てもゴブリンの応援は来ていないようなので、戦闘終了だ。
「カイン、お疲れ様」
「おう、おつかれぇ。サリア、最後のあれ、助かったわ、ありがとう」
「いいわよあれくらい。どうってことないわ!」
「うん、それでもありがとう。この後なんやけど結構血を流しすぎたし、こいつら担いで別のとこ移すわ。変な動物に持ってかれても困るしな。そのあとはもう素直に帰ろう?」
「なんで?まだあたしの魔力は残ってるわよ?」
「はは、情けない話、僕が疲れてもうてんかな。この薬草採取も全然金集まらんし、サッサと切り上げて次の冒険者ランクに上がってった方がええやろ思って」
「なるほど、じゃあ剥ぎ取り終わったら、帰ろっか」
「うん!わかったわ!サッサと討伐依頼受けられるようになりたいしね!」