エリスと交流
「ちょっとカイン〜、あんたまさか忘れてないわよね?宿は絶対必要だから良いとするわ。でもね、あたし達今の服ボロボロなのよ!古着でもなんでもいいから、新しい服が着たいの!?分かるわよね!」
あぁ、ついに言い出したか...。
僕もサリアが言い出したこともまあ分かるんやけどな、僕の服もボロボロになっては強引に植物の繊維とかで繋げて今まで持たせてきてるから、今めっちゃ貧乏くっさい見た目してるからなぁ。
僕よりかはサリアとエリスの2人の方がまだマシっちゃあマシやけど、男で上半身裸でも問題ない男の僕に対して、2人は女の子やからなぁ。
僕は感覚わからんけど女の子やったら服だけとは言わずに色んな小物やったり何やったり、してみたい事とかも分かるんやけどな?
「いやもちろん覚えてんねんで?僕もこんな格好やしな。ただこの街に入ってくる時の人の数、見た?めちゃくちゃいっぱい居たからさ、その分の宿がホンマにあんのか?って考えたらやっぱり無いやん。そんな数あったらここの町宿ばっかりになってまうからな。やから野宿にならんように、早め早めに宿取っとかんとアカンやん!」
「姉さん、今回は姉さんが悪い、よ?姉さんが言ってることもわかるけど、私もこんなだし。でもね、宿が大事ってカインの意見の方が大事。だから姉さん、私も頑張るから姉さんも頑張ろ?」
「...そうね、エリス!あたしもエリスを見習って宿を探すとするわ!カインも早く探しなさいよね!」
いや、僕めっちゃ探しとったんやけど!?
それにしても、エリスが珍しく長文言ってる!まあ、人間なんやから当たり前か。でもここまで旅してきてもエリスってあんまり喋らんから無口な子、ってイメージがあったわ。
「カイン?恥ずかしいから、あんまり、見ないで?」
「おお、スマンなそんな長く話してんのが珍しかったんや」
「私だって、話す時は話す」
エリスが頬を赤らめ、恥ずかしそうに言ってきた。うっわめっちゃ可愛いやん!
そう言えば、僕が住んでた所にしょっちゅう猿が出とってな?そいつらも顔赤くしながら家の作物食っとったけど可愛いとは逆の憎たらしいとしか思わんだなぁ。お前らもエリスを見習って可愛くなれっつうの!
まあ、ええわ。今となったら全然関係ない話やし。
それにしてもあれやな、エリスは無口なんじゃなくって顔見知りとか恥ずかしがり屋とかやったんやな。僕あんまり話すのとか苦手なんかな?って思ってちょっと話しかけんの躊躇っとってんかなぁ。
よっしゃ!じゃあこれからはエリスに慣れてもらうためにもこれからはめっちゃ話しかけよっかな!
「そう言えばみんな宿屋の看板ってどんなんか分からへんよな?」
「当たり前じゃない!カインは知らないの?」
「あや、分からへん。やから適当に歩き回っとのやけどなぁ。エリスはどうや?」
「ん?んぅ、多分でいい?」
お!エリスが意見出してくれてる。これも交流の1歩やな!え?そう言えば大概僕が意見聞いてまとめてた感はあったけどそういえば僕は正式なリーダーじゃないんやから皆にもどんどん意見出してもらわんとあかんな!いつか2人が別のパーティーに入った時のためにも!
はあ、いつか2人にも大切な人とかできるんやろうなぁ。ちょっと憂鬱かも。いや、別に僕の娘でもなんでもないんやけどな?
宿屋まで行けやんかった、やと!?
次回こそは必ず!