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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
異なる世界との遭遇
31/190

雇われる?魔物やのに?

 休み明け投稿2/3(3分の2)

 ...何とか、やな。

 あんだけいっぱいいたコボルト達を倒し、冒険者たちが仲間の回復とコボルト素材の回収を見ながら一息ついていると馬車に隠れていた商人がこちらに近寄ってきた。


「お疲れ様です。休憩中にすみませんね、私行商人をしております、ザックと申します。よろしくお願いします」


 ザックと名乗った男はどうやら各地の村で野菜や小物を買い、大きな街で売るという商売をしているらしい。

 どうやらこれがかなり儲かるらしい。この世界、魔物のせいで、住んでいる地域以外のものは基本手に入らないらしい。

 しかもそれらを買おうとすれば大きな商会で腕利きの冒険者たちを雇っているためかなり高額で買うか、安く買いたいと言うのであれば信用のおけない怪しげな行商人しか居ないのだそうだ。


 いやぁそれにしてもや、そう言う事聞いてると面白いな。森の中では僕とサリア、エリス、魔物の3人+αだけの世界やったのが、1人の話だけで一気に世界が広がって想像だけの街やったのが現実味を帯びてくる。


「そうだ、こうして助けられたのもひとつの縁です。どうです?私たちはラトリアの町に行く予定でこの方たちに護衛してもらっていたのですが、やはり護衛は多い方がいいでしょう?そういうわけなので護衛に雇われてみませんか?さすがに報酬はこの場で雇うので信用、と言う意味で給金が低くなってしまいますがね。まあちょっとしたお小遣い稼ぎと思っていただければ」


「ちょっと仲間と相談しても良いですか?」


「はい、それは勿論です。どうぞごゆっくり相談してきてください。私たちは馬車の近くで休憩していますので」


「わかりました、ちょっと行ってきますね」


 さてと、どうしよっかな?雇われるんやったら多少の金銭、あと街に入れる可能性がちょびっと増える。ただ、デメリットとして僕らの正体がバレたら相当厄介なことになるやろうな。

 僕は仮面を変えたらまだ大丈夫やろうけど、サリアとエリスのふたりはバッチリザックと冒険者一団に顔を見られてしもうとるからな。かと言ってまだこいつらを口封じするほどの覚悟はまだ決まってないし。


「話は聞いてたか?」


「うん、ちゃんと聞いてたよ」


「うん、じゃあこの話どう答えるべきやと思う?ちなみに僕は受けるべきやと思っとる」


「なぜかしら?安全を考えるのだったら断った方がいいと思うけど」


「わたしは賛成。この人たちから色んな話が聞けそうだから」


「うん、それもあんねんけど、1番大きいのが金やな。たとえ街に行けたとしてもそこで泊まるんやったらその金が欲しいし、最悪野宿したとしても食料分の金は必要やからな」


「確かに、お金は大切だもんね。...服も欲しいし」


「うっ!確かに新しい服は欲しいところだわ。でも街に行ったら仕事はあるって、そしたらお金が手に入るんだって、カイン前に言ってたじゃない!」


 あぁ、あったなそんな話でもなサリア、社会そんなに簡単にはことが進まんのやで?そんなに簡単に全部が済んだらプランとか計画って言葉、この世から無くなってるわ


「それにしたって多分金はいるぞ?そこで休憩してるヤツら。多分あいつら冒険者やと思うけど装備代から回復剤のための金、もしかしたら冒険者になるための試験で金を使うかもしれん」


 それからしばらくサリアに大して僕とエリスで説得を続け、ようやく納得させることが出来た。


 まあサリアの言ってるリスクの話とかもわからんではないんやけどな。やっぱり話し合う中で正体がバレるとかのリスク、デメリットより金が貰える、この世界に対しての情報が増えるとかのメリットが大きすぎて、なんか説得にすっごい熱が入ってもうた。おかげで最後らへんには味方のはずのエリスでさえもちょっと引いとったしな。


「よっしゃ、じゃあこの話受けるって話してくるわな」


「わかった」


「ふん、しょうが無いわね」


「はは...。サリア、ありがとうな?納得してくれて」


「別にいいわよ。カインたちの意見も分かってるし」


 あ、夢中で話しとったから気づかんかったけど、もう真っ暗やん!まあしゃあないか。この人ら助けに来た時点でもう暗くなり始めとったし、コボルトと戦いおわったんやってもう日が沈むギリギリやったんやから。

 そう考えると危なかったな、僕らはまだ魔物やからスキルがなくっても何となく周りが見えるからいいけどこの人ら人間やからな。暗くなってしもてたら全滅やったかもしれん。


「すいません遅くなってしもうて。ザックさんこの話、受けることにします」

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