楽しい制作と木の実は
遅くなってごめんちゃい!
言ってた通り、また1週間休み貰います。ごめんね!
よっしゃ、仮面と左腕の篭手が完成した!
え?どうやって作ったか気になる?へっへっへっ!じゃあねえなあ、教えたるわ!まずは纏血を使って木を切るじゃろ?それを使いやすいように角材にします。ただ乾燥させてる時間がなかったからそのまんま使ったけどな?その後仮面が脆くならんように縦に切るようにして薄くて長細い楕円形にします!そんでから目、鼻、口を開けて染色、やねんけどこれがまた難儀してなぁ。花はどれが染料になるかだけやったら鑑定でわかんねんけどどうやって作るんか分からんかってんかなぁ。
だって聞いてや!鑑定しても『染色に使う』としか出てこやんのやで!?めっちゃ不親切やと思わん!?
って事でワタクシ考えました、あれ?炭と灰って染色に使えて、そのための加工も要らなくね?ってね!
いやあ、それに気づいた時はどんなけ喜んだことか!だって木目の仮面ってダサいやん?
そんで出来上がったんがこれ!仮面の半分が笑って半分が泣いてる道化師の仮面!いやあ、って言うのも昔見たやつでまだ頭にこびりついとる、僕の中の仮面と言ったらこれでしょランキング堂々の1位やからな!
そんでそっからこれは割愛するけどまた面倒臭い篭手作りや。あ、因みに作ったんは右腕だけやで?左腕は『纏血』で真っ赤になっとるから肌の色なんて分からんしな。それに面倒臭いし。まあ、ばれはせんやろう。鑑定使われたらこれ全部付けとっても無駄になっちゃうけどな!
...あ!?気ぃついたらもう夕方やんけ!街道に行こうって言っとったのに今日中には着けんかもしれんなぁ。
後で2人に謝っとかなあかんな。
「あ、カイン。やっと作業終わったの?待ちくたびれたわよ!もうちょっとで完全に暗くなっちゃうし出来るだけ進んでしまいましょう?エリスぅー!行くわよぉ!」
「今行く、ちょっと待ってて」
エリスは森まで戻って果物を取っていたようで森の中から腕の中いっぱいに果物を詰めて帰ってきた。
ただな、エリス。それ鑑定して食えるかどうか調べんの僕なんやぞ?知ってるよね?はぁ面倒いなぁ...。
「ああ...っと、エリス?その木の実今すぐ鑑定しててっちゃうからそこ置いて?」
「うん、分かった。食べれるの多いといいね、姉さん」
「そうね、エリス!甘いのが多いとさらに嬉しいわね」
2人からのキラキラした視線が僕を見てくる。イヤイヤ、そんなに見つめたって食える木の実は増えませんよって。
「『鑑定』」
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・アポの実
甘いのが特徴、季節をはずれると渋くなる。食用
・ハズイの実
柑橘類ではあるが非常に酸っぱい、食用
・リップルの実
甘酸っぱく美味しい、食用
・ジャプの実
食べると徐々に筋肉が硬直してゆく、リップルの実と外観がよく似ているため要注意、有毒
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主にあったのはこの四種類だった。アポの実は丸くてツルツルしたような見た目で、ハズイの実はゆずによく似てる、リップルの実とジャブの実はリンゴだった。
てかジャブの実やばいな!絶対食ったらあかんやつやん!鑑定アイテム持ってなかったら気付かんとりんごと思って食ったかもしれんのやろ?うわこの世界こっわ!
て事でこんな危ない木の実はポイしちゃいましょうねぇ。
「捨てたのは猛毒らしいけどこの三種類は食えるらしいわ。ただ注意なんはこの黄色い実やねんけど酸っぱいらしいから料理の時に使うしな。あんまり食べんのはさスメられんわ」
「じゃあ他の実は食べられるのね?」
「おう、とりあえずどんな味かはわからんけど甘いらしいわ。エリスありがとうな」
「うん、どういたしまして」
エリスに例を言うとエリスは無い胸を反らして自慢げに言った。まあ、エリスはそんなに表情が変わる子じゃあ無いんやけどなんて言うか、態度で今どんなこと考えてるかもろ分かりやねんかなぁ。ほんまおもろい子やわ。
「よっしゃ!じゃあ鑑定も終わったし。ちょっと急ごか!」
「ほとんどカインのせいじゃないの。それ、私たちのセリフなんだけど?」
「うん、カインは反省すべき」
「うっ!スマンな」
そして反省と鑑定が終わり、完全に夜が来る前に急いで移動していた、その時。
「誰か居ないかァ!助けてくれ!」
馬の嘶きとともに男性の声が聞こえてきた。
「近いわね。助けに行きましょう!」
「おう勿論や!せっかくの初人間やからな!死なすわけにゃあいかんやろ!助けて街まで案内してもらわんと!」
「カイン、そういうのは不謹慎」
ジト目をしたエリスに怒られてしまった。
たしかに今のは思ってても言ったらあかんことやったな。反省反省っと。
「おう、確かにな。すまんエリス」
「そんなこと言ってないで早く行くわよ!」