脱出-2
「ハァ、ハァ、ハァ...」
「大丈夫か?ちょっと休む?」
今は1階層に続く階段を登っているところだ。エリスを背負ったサリアはやはりレベル一なのに加え1人分の体重がある事で疲労がピークに達していた。
「ううん、まだ行けるわ。さっさとここから出て新鮮な空気が吸いたいもの」
「ごめんね、姉さん。そろそろ私も疲れが取れて来たし、歩こうか?」
エリスはすごく申し訳ない顔をしてサリアに断りを入れる。
「遠慮しないの!あたしに任せなさい!体力だってここを出てからつけていけばいいわ!」
「...ごめん」
長い階段がやっと終わったここから1階層、大体やけど急いだら1時間足らずで外に出られるだろう。
「もうちょっとで外やで。あ、そや外に出たら何がしたい?今んとこ魚獲るとか木の実とる、あとはそやな狩とかしか出来やんけどな!ハハハ...」
「カイン、笑いがなんか乾いてるよ?」
「おっと、ごめんな。なんか文明人の暮らしっていうか、
街に行ってみたいけどハードルが高いけどな」
服もそろそろ限界やまさか葉っぱ股間に貼り付けるだけとかする勇気ないし、そもそもそんな事やったらまるきり変態やもんな。あと靴も欲しければちゃんとした槍も欲しい。
「そうね、あたしも町はとても楽しみだわ!でも街って何があるの?」
うっ!そう言えば何が有るんや?僕も全部想像で言ってたから正確に何があるってわからんのさな。
まあ当たり前っちゃあ当たり前やねんけど。だってこの世界に生まれてこのかた、ダンジョンと住居にしてる川から出たことないしな。
でも!夢はある!そう、都会に夢見る田舎モンみたいに!
あ、街に何があるか、やったな
「さあなぁ、僕も生まれてこの方、ここから出たこと無かったからわからん。たたやぞ?この服装は街に行ったらもうちょっとましな服は買えると思うぞ?まぁ、働いて金を貰わなあかんけどな」
「そのお金?っていうのを貰えれば新しい服が買える?」
「多分な」
そんなくだらん会話をしているといつの間にかダンジョンの出口が見えてきた。
思えば今回のダンジョン探索、色んなことあったなぁ。スライムゾンビって強敵との出会い、サリアとエリスとの出会い、そして大幅なレベルの上昇、正直これが1番おっきいかな?
ハァ、早く進化出来ひんかなぁ。出来るんか出来やんのかも分からんけど。
さて、随分久しぶりに感じる外や。
さて、こっから1週間の休みを貰いますね。
それといきなりですけどコメントや誤字報告を受け付けていますのでここが足りていない、面白かった、この描写忘れとんやん!何でもいいのでそういうの、欲しいな...チラッ!