オーク階層
遅刻オブ遅刻
サリアの新魔法『陽光魔法』を試し終わったカイン達は三、四階層を抜けて五階層に続く長い階段を降りていた。
「それにしてもサリア。さすがにあの炎の威力でフレア〜〜はちょっと名前負けしてへんか?」
「ええ〜、かっこいいじゃないのよ...。じゃあ、何にした方がいいかしら?」
「えっ、うーんそやなぁ。ブレイズ、とか?」
「うーん、この魔法ってそんなに燃え盛って、みたいな感じの色じゃないんじゃない?」
「じゃあ、フレイムとかに、したらどう、かな?」
エリスがおずおずと自信なさげに提案してくる。
と言っても他人から見れば微粒子単位でしか表情は変化していなかったが。
「いいじゃない、それ!これからフレイム○○にするわ!ありがとエリス」
「ううん、決まって良かった」
サリアの魔法名が決まってしばらく、ようやく五階層の入口へとたどり着いた。
さて、五階層だな。
五階層に入ってすぐ、出会い頭で魔物がいないかを素早く見渡し居ないことを確認するとサリアとエリス二人に合図を出し、五階層に侵入する様促す。
この5階層ではオークソルジャーやオークマジシャン等の役職付きが出るらしい。
ただ、オークジェネラルとかの更に上位の種族は出て来ないらしいが、それでもオークの上位種だ、油断はできない。
上位種が五体も並べば僕らのみも危うくなるからそうなると1匹づつ釣ってゆっくり狩っていくスタイルになる。
そうや。ここで一旦レベルを上げる為にちょっとこもってもいいかもしれんな。食料もいっぱい持ってきたし、なんならオークの肉食えれば相当長持ちできるやろ。
「ここで出てくるオークは耐久が高いらしいから注意な。あとサリアはともかく僕がちょっとレベル上げたいしあと2レベルくらい上がるまでここで狩って行ってもいいか?」
「ええ、もちろん。前衛が強くなるのはあたし達にもいい事だから」
「うん、いいよ」
こくり、と全員が頷きながら返事を返してくれる。それを聞いて出来るだけオークを探しながらの探索を開始した。