陽光魔法
サリアの進化が完了した翌日、僕達はまた昨日と同じダンジョンに潜っていた。
昨日は様子見のつもりでダンジョンの四階層へと潜っていたが今日からは最後まで攻略するつもりでダンジョンに潜るつもりだ。
「さ、もう準備はできたでしょう?早く出発しましょ。早く『陽光魔法』を試してみたいわ。どんな感じなのかしら。やっぱりアンデッドを浄化するような魔法なのかしらね?」
「お、じゃあ道中で普通の魔法に試して見たらどうや?それで使えたらよし、使えんかったらアンデッド系に有効やってわかるやん。どうや?」
「それいいわね、そうしてみるわ!出来ればちょっと手応えがある二階層で試したいわね」
そうして魔法を試す話し終え、宿を引き払い、ダンジョンの中で食べられるよう保存食を大量に買った後、また第二ダンジョンへと向かっていった。
二階層ではコボルトが出るだけだが、一階層のアクアスライムよりかは耐久もあり、『陽光魔法』を試すにはいいだろう。
もしいっぱい数出て来てもこいつら程度、僕やったら余裕で対処できるしな。
「あ、いたよ。姉さん二匹だった」
「了解。行くわよ新魔法!『サンフレア』ッ!」
そう言ってサリアの手から飛び出してきた魔法はオレンジと黄色の中間、山吹色といったところか。
それがファイアボールと同じ形をしてコボルド達へと突っ込んでいく。
以前の魔法が赤とオレンジの中間だったことを考えると温度が上がり、威力が増したように思えるが、どこか地味で魔法が進化したと言ってもそこまで劇的な違いは無いように思える。
その魔法がコボルトの一帯へと命中し、以前より倍近い速さで黒い炭と化していった。
「え、『陽光魔法』ってこんな感じなの?もっとこう、暖かくって陽の光に包まれるような魔法だと思っていたのだけれど...」
うん、僕もそう思ってたからこうやってバリバリに相手を消し炭に変えてしまう魔法でびっくりしたわ。
「でも、光魔法が入ってるから浄化も、出来るかも?」
「た、確かにそうよね。やっぱりこの魔法は浄化と炎が混じった魔法なのよきっと!だって光魔法ってアンデッドを浄化するための魔法だもの、ね!」
「まあ、そうやんな。でもあれやん。普通の魔物相手でも威力が上がったって考えたらめちゃくちゃええやん!こっからの進化も期待してるで?サリア」
「うん、任せてちょうだいな!」
そう言ってサリアは鼻を高くして笑っていた。
投稿ペース。戻して行けたらいいな...