サリアは、遂に...!
エリスの方へと視線をやり状態をよく確認する。
後衛で攻撃手段がないはずなのにどうやって二体の攻撃を捌いているのかと思っていたが、僕は大きな勘違いをしていたようだ。
サリアの纏う雰囲気が怖かったのにも納得がいった。
「『ファイアスローワー』」
サリアが放った火魔法がマジョリティハウンド二匹を牽制してから僕は急いでエリスの元へと近ずいていった。
エリスはさっき見た通り、服が大小こそあるがビリビリに破けて恐らくハウンドの攻撃を大量にくらったことが伺える。
「エリスお前服がビリビリやねぇか!お前それ痛くねぇんか!?」
今それを言うべき事はそれじゃないと、言った後に気づくが言ってしまったものはしょうがない。
「できるだけ回避してあとは魔法で回復した。こう見えて傷はない。もうない?」
「エリス、そういう問題じゃないでしょ!?なんでそんな無茶したの!?もし傷が深くてあんたの魔法でも直せなかったらどうするつもりだったの?」
「その時はしょうがない。こうするしか無かった、から」
そういったエリスは特段何かを思った様子はなくて、純粋に服がボロボロになったのを悲しむように服を摘んでいただけだった。
「とにかくエリス、次からはこんな無茶はしない事!いいわね!?『ファイアボム』ッ!」
『ギャオウッ!』
ようやく燃え続けていた火が消えた途端、魔力を練っていたサリアからまたファイアボムが放たれ、二匹をまとめて焼き殺す。
相当離れていたように思うがサリアはさっきよりも大きく魔力を込めていたようで二匹とも巻き込んでいた。
「ま、まあ。目標やった五匹も倒したし、とりあえず帰るとするか?」
「そうね。まあそうしましょうか。さっきの魔物であたしもようやく進化できるようになったし、ね」
「お、まじ!?じゃあさっさと帰って進化しやんとな!」
「姉さん、おめでとう。私もじゃあもうすぐ進化できる、かな?」
「もちろんよ!エリスならすぐに進化できるようになるわよ!」
やべぇ!僕の話じゃないのに今からドキドキしてきたぞ!?
とにかく、眠い