エリス、無事かっ!?
エリスが一匹目のマジョリティハウンドを倒すところを横目に、僕は後ろに回り込もうとする二匹を武器を伸ばすことで時間を稼ぎ、その間にサリアと狼の間に身を割り込ませた。
「エリスっ、まだ行けそうかっ!?」
「うん、でも魔力の消費が激しいから、あと一分以内に帰ってきて欲しい」
「りょーかい」
あと一分で二匹か。まあサリアの魔法も合わせたら余裕とは言えんけど行けるやろ。
あ、でもあれか、帰りの時の事も考えやんとアカンって考えるとだいぶ急いでこっち片付けやんとあかんかな。
「サリア、急いで魔法用意して?早くこいつら片付けてエリスの方行きたいから」
「わかってる。集中するから黙って足止めしててちょうだい」
「うい」
怖ぇ。
そう思いながらも飛びかかって来た一匹を普通の拳で殴り付け地面に落ちたところをランスで貫こうとする。
「うおっと、危ないなぁ」
こいつ、仲間がやられそうになってサリアを狙ってたのをこっちに変えてきやがった。
半身を引いてそれを回避し、踏みつけたままになっていた一匹を首を狙って串刺しにしてやる。
「ギャウン!?」
「まずは一匹!」
「カイン、行けるわ!どいてッ!」
その言葉を聞きステップで横に退くと後ろから炎が飛んできた。
その炎は最後の1匹の前に着弾するとファイアボールよりも広い範囲で大爆発を起こす。最後の一匹はその大爆発に飲み込まれ全身を炭と化して死んだ。
「よしっ、こっちは終わったぞ!エリス、無事かっ!?」
「うん、なんとか。でも早く来て欲しい」
ちらっと見るとエリスはまだ余裕そうな表情をしているが多分帰りの魔力の分を考えるとそろそろやばいのだろう。
おっしゃ待ってろエリス、今行くからな!