ドロップアイテム
今回は冒険者らしく両刃の両手剣を模して纏血を使って作り出した。
出来は、うん、まあええんとちゃうか?剣の両方に刃がちゃんと付いてるし、握る部分も両手で持ちやすい。変に曲がってないし長さも想像した通りにできた。
「うん、今回も100点の出来栄えやな!」
「そうね。実際カインってだんだん作るスピードも出来もどんどん上達してきてるわよねぇ」
「でも姉さんだって、魔法の生成、早くなってる、でしょ?」
エリスに言われたサリアはまあ、そうよね。と返しながらも嬉しそうに微笑んだ。
やっぱこういうのって自分ではあんまり気づけへんもんなんやな。
「フゥンッ!おっ?ちょっと振られたか?うーん、こんなもんかなぁ」
少し刀身が長かったのか思ったよりも剣に振られてしまい、コボルトを切ったのはいいがそこから次の一体には繋げられなかった。
最近はこういうことがないように毎朝何回も作っては消しての練習をしていたのだが、やはり実戦で使うとなれば少しのズレが気になってしまう。
「ギャウッ!」
切られたコボルトの近くにいたもう一体は、剣に振られているスキをつきカインを攻撃しようと持っていた槍を横薙ぎにして振るう。
それをカインは一歩後に退き攻撃をかわすとコボルトのがら空きになった胴体めがけ逆袈裟に切り体を真っ二つにした。
今度は刀身を調整したことによってふらつきも無く振り切ったカインは、体制を立て直さず、倒れ込むように地面と体を水平にするように走る。
コボルトはそんなカインに向かって槍を背中に刺そうと突きを放つが、そういう攻撃が来ることは容易に想像がついていた。
「...シィアッ!」
あえてコボルトの方に転がり込み剣を天に突きつけるようにして心臓を刺し貫く。
「カイン、よくあの体勢から立て直せたわね。最初ちょっと危なくなってたから助けに入った方が、なんて思ったんだけれど、その後は安定していたわよね!」
「おう、うっかり剣の長さを間違えて作ってちゃったみたいでなぁ。次からは絶対にこんなことは起きんから安心してくれや」
そういうとカインはドロップしたコボルトの魔石を拾い上げ、次の階層に行くべくマップを見ながら先を急いだ。
「まだいいアイテムは落ちないのね。杖とかドロップしないかしら?ダンジョン産のアイテムって、よく強いって言うものね」
「うん、そう。威力が上がるだけじゃなくって、他の効果が、付いたり、とか?」
「へぇ、やっぱそんなんがあんのか。いいなぁ、ロマンがあるなぁ。次の探索の時はいいドロップが当たるまでを目標にしてもええかもしれんなぁ?」
「何言ってるのよ。そんないいアイテムが落ちるなんて滅多にある訳ないじゃない。それにここくらいのダンジョンじゃ今よりちょっといい装備が手に入る程度よ」
う、うぅん。そうなんかぁ?じゃあ狙ってもしょうがないんかもなぁ。
でもドロップするアイテムってだけでもかなりロマンあるよなぁ。
こういうのって欲しいアイテムがおっても大概オプションがカスやったりするんですよねぇ。
悲しいことに