コリン、帰還!
悲しい顔をしてコリンが隣の部屋から帰ってきた。
そりゃあそうだろう。僕の時とは違って自分の意思とは関係なく以前の自分のとは全く違う姿になってしまっていたのだから。
「だ、大丈夫かコリン?」
「ええ、平気よ。ただ、変わりすぎた自分の体にびっくりしただけだから。時間が経てばこの身体にもなれるでしょう」
そうは言うものの、コリンの顔は暗く、とてもでは無いが時間が解決してくれるような感じでは無かった。
「まあなんや、キメラになった代わりに強くなった。って考えたらええんとちゃうか?僕だってこのスライムと自分の血で出来たこの腕、後天的になったけど結果的にこれのおかげでめちゃくちゃ強くなれたしな。結構つける時は痛くって死ぬかと思ったけど」
「ふふっ、そうだったのね。ちょっと安心したわ。後々どうにかなったらどうしようと思ったりもしたし...」
あ、ちょっと笑ってくれた。あの苦しい記憶また思い出すのは嫌やったけど、まあちょっとでも気分が良くなってくれたんやったらヨシっ!やな。
「コリンさん、念の為にまた縛ってギルドまで連れていくよ?時間差で暴走するような事になったら大変だからね。ギルドまで行ってしっかり専門家に見てもらおうか」
「は、はい。わかりました、では早速よろしくお願いします」
そう言ってコリンは素直にロイさんに背を向けて手を後ろ手に組んだ。
ロイさんはそれに手際よくロープを束ねて痛くならないようにしながらしっかり緩まないように縛っていく。
あっという間に動けないように拘束されたコリンちゃんを今度はジャクソンが肩に担いだ。
「よし、じゃあ戻るか。急いで帰るぞ?もしかしたらここいらのキメラが動き出すかもしれんからな」
「すいません、よろしくお願いします」
肩に担がれたままコリンはお願いする。
「構わんよ。痛くなってきたら言ってくれ?担ぎ方を変えるからな」
そう言ってジャクソンはなるべく揺らさないようにして出口へと歩き出した。
ほうほう、ジャクソンも大概優しいやんけ。なんか意外な一面やな。もうちょっと粗暴なイメージあってんけど。
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また長い回廊をぬけ、外に出てきた。外はまだほんのりと明るく、僕らを照らしている。
ギルドへと戻ってくるといつも通りに受付嬢がいて穏やかに微笑みながら僕たちを迎えてくれた。
ただその顔こそ笑っていたが、雰囲気は少し悲しそうでコリンを眺めている。
「お帰りなさいませ。...どうやら少し手遅れだったようですね。コリンさんはこちらで預かります。あなた達は報告をお願いします」
そう言って奥からでてきた男の職員がコリンを担ぎ、女性職員とともにギルドの奥へと連れていく。
誰かぁー!ぼくとAPEXしてくれんか?
ちょっと野良ばっかりやと寂しいぜっ!