服、服ぅ!
なんとびっくり、築けば4日がすぎているではありませんかっ!
き、気づかなかった。
培養槽の中から出てきたコリンへとサリアは自分のマントをかけて汚ぇ男どもの視線からコリンの裸体を隠した。
あッ!僕も汚ぇ男どもの中にいる1人か!うーん、あとが怖い事になりそうやから僕も気ぃつけとかんと。...実は見たいなんて口が裂けても言えんな。
「いつ頃起きるのかしら。場合によっては誰かに服を買ってきてもらってからそのままコリンをギルドまで運ぶことになりそうなんだけれど」
「いやぁ、そりゃあ無理とちゃうか?途中でコリンが目を覚まして僕らを襲うんやったらまだしも、僕らを無視して街の人らを襲いだしたら大変やで?」
「確かにそうだね。じゃあやっぱり僕たちがここにいて誰かが服を買いに行く、っていうのが1番いいかな?それだったら1番消耗しているサリアちゃんとカインくんで行ってきなよ。僕らとジャクソンの方は上位の冒険者としての威厳っていうものをここでふんばって見せないとね」
そう言ってロイさんは茶目っ気を出すようにウインクして見せた。だがあれだけ大量のキメラを倒し、更にはセイル戦までやってきたのだ。その分の疲労は相当のはず。
ただそう気を使ったふうに思っていても、僕とサリア両方とも魔力が枯渇していたり僕に至っては魔力もなければ体力も切れてるって言う何の役にも立たんお荷物になりさがってる。
「まあしょうがない、かな。了解、じゃあサリアと僕で適当にコリンの服買ってくるわな。あと途中でなんかの屋台があれば手軽に食えるもん買ってくるわ。串焼きとか?」
「お、良いじゃねぇか串焼き!じゃあ見つけたら絶対買ってくれよ!金は後で言ってくれたら返すからな!じゃあそうと決まったなら早く行ってくれ。お前らがいない状態でコリンが暴走しながら目ぇ覚ましたら面倒くせぇからな」
「おぅ、まあ出来るだけ早めに帰って来るわ。じゃあなぁ、行くぞサリア」
ワァイ、美女と2人でデートやぁ。
なんて浮かれられたらええんやけどなぁ。常に走らなあかんデートなんてデートじゃあないやい!
つまんね、そんなこと思ってないで早くここから出やんと。
「サリア、ちょっとおんぶするぞ?さっさと行ってさっさと帰らなあかんからな」
「う、うん。出来れば恥ずかしいからやめて欲しいんだけれど、まあしょうがないわね。いいわよ、許してあげる!」
「ハイハイ、ちゃんと捕まっとれよぉ。落ちんようになあ?って言うかなんで僕と二人で行かなあかんかったんやろ。僕だけでよかったんちゃうんか?」
「確かにそうよね。あたしも焦っていたから何も思わなかったけど今思うと不思議な話しよね?」
そんな事を不思議に思いながらもう通路を半分近く戻ってきてしまったので考えてもしょうがないと思ってそのまま外へと飛び出した。
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<ロイ視点>
うん、行ったかな?
「なあ、今思ったけどよォ。なんでわざわざ2人で行かせたんだ?別に今服のセンスなんてどうでもいいんだからよぉ、カイン1人で買いに行かせりゃあ良かったじゃねぇか? 」
「うん、確かにそうだね。ただ、傍から見てるとサリアちゃんがちょっと可愛そうでね。ほら、ここに来るまでにサリアちゃんから聞いたじゃないか。エリスちゃんとカインくんが2人で特訓に行った時の話。あの話をしている時ちょっとサリアちゃんが寂しそうな表情をしていたんだよ。さすがにエリスちゃんも取られるのは痛いから、代わりにカインくんとの2人で買い物を、って思ったんだけどね。あの調子だとすぐに帰ってきそうだ」
うん、もうちょっと甘い感じの買い物を想像していたんだけどね。まあこの状況じゃあしょうがないか。
と、ロイは自分で考えて少し苦笑した。
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