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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
160/190

中途半端な

とにかく眠いねぇ。

 サリアとメアリーに続き、僕達は培養槽で出来た森へと入っていった。

 培養槽の中身はほとんどが魔物だけのキメラが入っている物だったけど、中には人面のキメラ、逆になんの為か分からないが頭だけが魔物になっている者までいた。


「なんて言うか、こりゃあすげえな。今までも相当酷いやつはあったが、これはその中でも上位に入ってくるだろうぜ」


「そうだね。僕もそうだよ。ゴブリン達に攫われた人たちやマンティコアに襲われた人も酷いものだったけど、今回のこれはまた違った酷さがあるね」


 うっわ、あれやろ?マンティコアってジジイの顔してるライオンみたいな奴なんやろ?なんか人を残虐に殺すことが趣味、みたいなイメージがある奴。

 そっか、やっぱりここでもそういう奴なんやなマンティコア。なんか嫌やけど解釈一致って感じやな。


 でもあれやな。考え方によっちゃあ、冒険者初めて最初の方にベテランでもグロい奴を体験出来て良かった。とも考えられる、ね。あんまり思いたくないけど。

 まあでも出来ればこういう人間を実験体にするとかいう、とち狂ったやつには今後かかわり合いになりたくないな。

 ずっと魔物退治とかダンジョン探索やったりをしてたいわ。なんせこんな依頼ばっかしてると気が重くってしょうがないからな。

 そう思いながら培養槽の間にある道を通っていると、


 ッパリーン!!


 突然目の前にあった培養槽が割れ、中に入っていた体の右半分だけが魔物になっている男のキメラが飛び出てきた。


「っ!下がれ、戦闘準備ッ!」


「おうっ!」


 僕達は残り少ない魔力をふりしぼり、各々大剣や槍を構える。

 男のキメラはしばらくフラフラと焦点があっていないようにしていたが、こちらに視線を向けると大きく手を振り走り出した。


 既に警戒状態で大剣を出していたジャクソンが大剣を振り上げ大上段に構える。が、キメラは僕たちの目の前で自分の足につまづき、何をすることも出来ずに倒れた。


 え?まさか死んだんか?僕らまだなんもしてないよな?そう思って周りを見ても他のメンツも首を振り誰か攻撃したのかと目をくばっているところを見る感じ、誰も攻撃してないみたいや。


「突くぞ?...死んでいるみたいだな。ふうむ、少し拍子抜けだな」


「ま、死んでいる分にはいいじゃない。下手に怪我をするよりは、ね。まああたしも消化不良みたいな気持ちにはなるけれども」


 多分、不良品、と言っちゃあなんやけど、そんな感じのやつやったんやろうな。

 まあ確かにセイルがこんなんを連れてきたとしてもあの路地を防ぐ一帯になるだけで何の役にも立たんからな。

 多分ここに未だ入ってるやつらもそんな感じのやつらなんやろうな。未完成品を除いてやけど。


 ...これ、コリンに重ねると怖いな。中途半端に改造されとって、生きてるけど培養槽から出したら死んでしまう、みたいな、な。

良かったらイイネッ、だけでもして言ってくださいね。

 そういえば、初めて?久しぶりに?投稿している話数以上にブックマークしてくれてる数が上回ったんですよ!すごい嬉しいですね!

 ありがとうございます!

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