あーらほーらさっさー...
クモの巣状に広がりセイルを貫こうとする槍。
それに対してセイルはまたもや水の縦や衝撃波で僕の槍を防ごうとする。
「おいカインッ!こういう事をするんだったら先に言え!避けられ無かったらどうするんだ!」
「いや、すまんすまん。でも発動はそこそこ遅いから避けられるかなって思ってんかな。実際避けられたし?」
「カインくん、でも今回はそれでいいとしても次はちゃんと声をかけてね?」
「うっす」
ロイさんにも怒られた。まあやった事はしょうがないし、まあ次に活かそうかなぁ?
そう考えていると視線を感じ後ろを振り返る。すると僕の雰囲気を感じていたのかサリアが何も言わずにこちらをジト目で見ている。
「なんや?」
「いえ、何も。ただ、いい加減にしないと友達いなくなっちゃうわよ?」
「なんの事やろねぇ?」
シラを切ってみるも僕自慢のパーティーメンバーにはそんなに反省してないことはバレバレ見たいやな。残念、そんなに胡散臭い雰囲気出てたんかな?サリアから見て僕の背中しか見えてないはずやのに。
気まず。セイルに集中しよっと。
セイルはと言うと、僕が発動し続けている血の槍をありとあらゆる魔道具を使い防ぎ続けている。
仕組みとしてはただ避けられたり散らされたりした血の塊をまた接続、槍として射出しているだけやけど、その規模の大きさで相当魔力を使ってる。こういう事を湯水のように使って、って言うんやろうな。正しく湯水のように使って攻撃してるから。
その攻撃のおかげで、セイルは魔道具の操作で手一杯のようで、攻撃にはまだ移れないみたいやな。ただこっちからも攻撃はできんけど。
...ピシッ.ピシッ.パリンッ!
ん?今、何か割れる音じゃんかったか?なんというかガラスを床に落としちゃった時の音みたいな?
今のは伝わらんかったかも。
ともかくそんな音が鳴ったあと、白衣で隠れていた腰部分から大量のガラス?のようなものが溢れてきた。
「クッ、ここで、ですか。しょうがない。ここは一旦退却させていただきます。ではまた何時か、会える日が来ることを願いますよ」
「は?おいおい、そんな寂しい事言うなや。もうちょっと遊んでいこうや」
「ええ、ええ。私としてもそうしたいところなのですがねえ、そういう訳にも行かないのですよ」
そう言ってセイルが懐から取り出したスイッチ型の魔道具のボタンを押そうとした。
「カインっ!」
「いや無理や!もう魔力がスッカラカンやからのぅ!ロイさんは行けます!?」
「ごめんね、僕ももう魔力がないんだ。ここは大人しく逃げられるしかない、ね。残念だけど」
そう言っている間にもセイルはボタンを押していて、足元から消えていっているところだった。
クソ、絶対次会ったら捕まえたるからな?
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