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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
149/190

グッ、右腕が!

「カイン、待たせたわね! 準備オーケーよ!」


 しばらくセイルからの鞭や締め付け、少し隙間が空いたなと思うとそこから網の隙間を狙っての爆発攻撃など、必死に二人を守っているとサリアが準備が出来たと言ってきた。


「分かった、じゃあこじ開けるからエリス頼むで?」


「「「何時でもいい。準備は出来てるから」」」


 ひゅー!かっくいい!さて、じゃあ開けるか。でもどうやって開けるかな。

 最初は単純に拘束するようなツタだけやったから良かったけど爆発する種まで飛んできとるからな。


 ...うん、普通に鳥かごから棘を生やしたらええっか。


「『纏血・棘皮』っ!今やエリス!」


「「「任せて。『アンチヒール』」」」


「『ファイアピアッシング』ッ!!」


 僕がイメージしたのは『ウニの体』だ。みんな知っているとは思うけどウニは全体的にトゲトゲしてるし何となく想像つきやすいんよ。


 僕がツタにつけた傷は即座に収縮し、その傷を埋めようとするがエリスが事前の打ち合わせ通り、『アンチヒール』を使い僕がつけた突き傷をグンと広げてそのままバラバラに切断する。


 どうやらシンズも全身傷だらけになり、右肩は脱臼しているのかブランと力なく垂れ下がっており動いていなかったが、何とかは生きているようだ。


「おいシンズ、お前その腕大丈夫か!?」


「こんなのどうってことないさ!そんな事より早く打て!セイルが次の手を打つ前にッ!」


 確かにシンズの言う通りだ。こういうことを思うのは自分でもどうかとは思うが、シンズごときに構っていないで、さっさとサリアの魔法を打たんとな。


 エリスの魔法で鳥かご全体を取り巻いていた蔦がバラバラになったおかげでセイルの事がよく見える。そのモノクルを付けいきがっているセイルの胴体めがけサリアの炎の弾丸がまっすぐに飛んで行く!


 セイルは自分の攻撃が破られたというのに動揺した顔すら見せず、前回と同じように風爆、炎爆、そして水のシールドを使い勢いを弛めた。ただ、前回と違うのはサリアが魔法名を言った瞬間にはもう既に半身になり、回避行動に移っていたことだろうか。


「ウグッ!...今のは完全に避けきったと思ったのですが、ね。まさか当たってしまうとは思いませんでしたよ」


 ただ完全には避けきれなかった様で肩に弾丸が掠め、肉が抉れてしまっていた。これで回復アイテムを持っていなかったら、ではあるがこの戦闘中は使えない、だろう。


 セイルは弾丸を受けなかった手の方で白衣をゴソゴソ漁り出す。


「やばい、止めろシンズ!」


 取り出したのはピンク色に染まったポーション。

 その試験管に詰まっているコルク栓を歯で引き抜き、自分にかけようとする。


 シンズはそれを阻止しようと、左手で握り直していた槍を横に振り抜き、ポーションを取り落とさせた。


「カイン!こっちは終わったぞ!今から行くからな!」


「僕の方も終わったよ。シンズ君、うちのヒーラーに見てもらいなよ。カバーは僕がする」


 ジャクソンとロイだ。振り向くと大量のキメラ達が積み重なるように倒れ、灰になり、死んでいた。


 うお、すげえな。さすがはランクBが二パーティもいるだけはある。僕が地下の道であんなに苦戦したキメラたちをあんなに大量に、しかも三十分かからずに倒すなんてな。


 何はともあれ、や。何とかなったって考えていい、よな?

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