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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
148/190

鳥かごに囚われた少女たち

「あと二分半か。シンズ!このままじゃああいつのシールドは割れんやろ!?やったら消耗避けてサリア、エリス守り、近ずいて来やんかったら投石で対応すんで!絶対にセイルを通すなよ!」


 絶対にセイルは明確にダメージが通ったサリアの魔法を警戒して来るやろう。

 って言うことは僕らの攻撃は無視できる!って考えて直でサリアとかの魔法部隊へ行く可能性が高い。

 うん、こうするしかないよな。特に僕らがセイルに対する攻撃手段がないのが痛いねぇ。


「マジでか?そんなのセイルに逃げられたらどうするんだよ!どうせこいつの事だ逃走用の魔道具だけは大量に持ってやがるだろうしな」


 シンズがなんか言ってる。やけどそんなん仲間が攫われたり殺されるよりは逃げられる方が断然マシじゃね?

 もちろんそんな戯言を聞いている暇は無いので、シンズの撤退を補助するべく纏血を伸ばしてセイルの後ろへと回らせる。

 勿論セイルも風爆、炎爆、短剣魔道具二本、そして復活した水の盾を使って後に回り込ませんと防いでいく。

 そこまで来てようやくシンズもセイルの後から後退するべくサリアの元へと走り出すが、それはセイルにとってもサリアを倒す、という点で出来れば阻止したい行動だ。

 残った短剣2本で回り込むのを阻止しつつ、隙が出来れば斬りかかっていく。


「槍使いのあなた、よく分かっていますね。そう、私はどんな状況でも即座に逃げられるようにしております。ま、奇妙な術を使っている彼の言うとおり、脅威に見えるのは炎の魔法を使ったあの子だけなので逃走用の魔道具を使うことは無いでしょうが、ね」


 うっわ、マジでこいつふざけとんな。どんな環境で育ったらこんなやつになるんや、ホンマに。

 しかもご丁寧にサリア狙います宣言しとるしよ。


 そんな事を考えていると今度はセイルが右手ではなく左手をまっすぐサリアの方へと向け、何かの種子を飛ばした。

 これ、絶対ヤバいやつやろ!

 シンズの撤退を補助しながらじゃあとても間に合わんな。つう事はちょっとシンズには耐えてもらうか。


「シンズ踏ん張れよ!」


 そう言葉を残し、少しもったいない気持ちを抑えて纏血のセイルに伸ばしていた分を切り離し、身軽になる。

 その瞬間切り離したぶんのMPがドッと減った気がしたが、そんなことに構っている余裕はない。

 すぐさまサリアの方へと纏血を伸ばし、サリアに飛んで行った種を真っ二つに断ち切る。


「ほう、今のを防ぎますか。ですが、この弾はまだまだあります。いつまで防ぎきれるか、見ものですね?」


 今回は防ぎきれたから良かったものの、もう種っていう時点で嫌な感じしかしやんし、絶対に防ぎ切るしかないな。ただそれやとシンズの方が心配や。さっきまでは僕の方で風爆炎爆そんで半分やけど水の盾も抑えとったのに対して今はそれに加えて短剣の魔道具も担当しやなあかんのやからな。

 僕もちょっとは分担したいけどもうサリアの側まで下がった以上は攻撃が届かんとは言わんけど、距離が長くて対応されるのがわかりきってる纏血を使うか、さっき言ってた投石くらいしかない。


 つまりはほぼ絶対と言っていいくらいサリアの魔法でセイルを倒すか、ジャクソンたちが来てくれて撤退する隙が生まれるのを待つかくらいしかないんよな。


「どんどん行きますよ。『発射』」


 セイルの左の袖からどんどん種がサリアへと向かって飛んで来る。

 まあ一回見たし今度はいっぱいあるとは言え、1回の振りで全部切り落とせるやろう。


「束縛の種、起動」


 ...は?今のタイミングで使うんか?まだ空中にあって着弾してないのに?


 空中を飛んで行った種子の弾がセイルの声によって一気に発芽し、枝葉を伸ばしていく。


 こらやべぇ!

 一気に伸びてきた枝に焦り、自分たちを鳥かごで囲うように張り巡らせる。

 だが、成長したまま飛んできた種たちはそんなことはお構い無しと僕が作った鳥かごを囲み、そのまま絞め殺さんとギチギチと鳥かごを締め付ける。


「こりゃあやばいな、何とかしやんと」


「いいんじゃない?こうやって安全地帯を作ってくれたのならあたしの魔法も存分に練ることができるわ。それに出ようと思ったらカインが傷つけてくれればすぐ出れるしね」


「「「「うん、わたしの準備はもうできてる。いつでもオーケー、だよ?」」」」


 おおぅ成程な。

 こんでまた1週間休み貰いまっからねぇ!

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