白衣の男、その行方
すいません、明日は面接で朝早いので短いですヨ。
ロイさんとジャクソンがここのボスに対して尋問を始めた。
と言っても見ている限りは尋問と言うよりも拷問の方が近いかもしれん。見ていてあまり気分がいいもんじゃあ無いけど、これから盗賊の基地を吐かせる時とかはコレが役に立つ時もあるやろうからな。
「サリア、エリス、辛いんやったらここから出てってもええんやで?」
「そういうカインはどうなのよ?」
「あぁ、と。なんでかわからんけどこういうのは全然大丈夫っぽい」
今ロイさんはボスにサッカーボールにするような蹴りを入れて吐かせようとしていたのを辞めて、今度は電気を少し、火傷をする程度に流し始めた。
「じゃあ、あたしも大丈夫よ。あたしはそんなに柔じゃあないんだからね!」
「わたしも、そんなに気にならないかも?」
うわ、まじか。大分きつい光景やと思うねんけどな。
まあ耐えて経験を積んでくれる分には僕もすごい助かるんやけど。基本こういうのは僕がやろうとは思うけど、僕になんかあった時はこの二人のうちどっちかにやって貰うって事があるかもやしな。
あ、そうこうしてるうちに終わったみたいやな。終わった後のボスの状態としては、四肢に穴を開けて、全身やけど、そんで泡を吹いて気絶してるって感じやな。
うん、ちょっとグロイわ。
「どうやら、白衣の基地はここから遠くにある同じスラム街にあるらしいね。詳しい場所まで吐いてくれたから助かったよ」
「はあ、それで、そいつはそのまま衛兵に突き出してすぐその場所に行くんですか?」
「いや、そいつはやめておいた方がいいだろう、って思ってんだ。何だかんだMPも無い、装備の整備も必要、俺らの体力も無くなって来てる、ってなりゃあ明日に回すのがいいだろうってな」
成程、そりゃあ疲れてる僕にとってはすんごいありがたいな。ってかそれって僕らのために明日に回すってことやんな。すんごい申し訳ないわ。
「すんません。じゃあそれでお願いします。出発は何時からにしますか?」
「そうだな、出来るだけ早くに出発したいから日が登ったらすぐ、だな」
あぁ、僕朝起きんの苦手やのになぁ。まあ理由はわかりきってるからしょうが無いねんけど。はあ。
「了解です。ではそれでお願いします。ではもう今日は解散、で良いんですよね?」
「うん、それで大丈夫だよ。また明日ね、カイン君、サリア君、エリス君」
「はい、ではまた」
そう言って帰ろうとした時、再びロイさんから声をかけられた。
「すまないカイン君、夜中ちょっと動きがあったら呼ぶから、今泊まっている宿を教えてくれないかい?」
「ああ、成程分かりました。今泊まっているのは表通りにある『ラッソの宿』と言う所です。って言うか、出てくるかもしれない、っていうだけでずっと見張っているつもりですか?」
「うん、そうだよ?なんせ僕たちが寝ている間に逃げられたら厄介だからね。でも、ちゃんと君たちは休みなよ?」
うっ、先に釘を刺されてしもた。正直先輩で更にほとんど上司的な存在のロイさんらに全部任せて休むって凄い気ぃ使うからあんまりやりたくないんやけど。
「はい分かりました。そうさせて貰います」