表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
利用される悲劇
130/190

拘束、完了!

 戦闘をロイさんに代わってもらってからしばらくだった頃。

 気がつけば部屋の中に山ほどいたゴロツキ共は数えられるほどに減っていっていた。

 僕と戦闘を代わって貰ってからそんなに経って居ないはずなんだが、僕と戦闘を代わった途端、瞬く間に敵の首をはねていき、僕の疲労が納まった頃にはもう既に半数を切っていたのだ。


 それを見てさすがの僕でも思ったな。なるほど、冒険者のランクを上げていっている人には単純な力は勿論の事、持久力も持ってやなあかん、てな。何気に僕と同じくらい戦ってきてた『不退転』のメンバーも全然生ききれてないしな。


 まあ、そんな持久力が無い僕でもできることはあるけどな。

 誰にもバレないように左腕の纏血を肘から肩へ、体を通らせて足から出す。そして床に小さな穴を開けて敵のボスへと向けて進ませて行った。


「?カイン、何かやってんのか?」


 ほえぇ、すごいな。誰にもバレへんと思っとってんけど、どうやら隣にいたジャクソンにはバレたみたいや。

 どうやったんやろ?


「...ようわかったな。床下から敵のボスを捕まえよう、って思ってな。参考程度に、なんでバレたか教えて貰っても?」


「簡単だ。お前、その腕を使う度に魔力が大分漏れてるんだよ。今回みたいに派手に潜入する時にはあまり関係はなかったからあえて言わなかったんだが、まあ上を目指すんだったら、その腕の魔力を隠す努力はした方がいいかもしれんな」


 そんな魔力とか全然気にしたこと無かったな。

 ていうかそういえば僕も魔法を覚えるって話もすっかり忘れとったし。


「なあ、サリア?」


「どうしたのよ」


「あのさ、僕の纏血って魔力が漏れてるとか言われてんけど、なんか分かる?」


「えっ?考えたこともなかったわね。あたしも魔力を感じるとかの練習やって来なかったから、帰ったら三人で練習しましょう」


「そやな」


 そんな事を言ってるうちに纏血が敵のボス側へと到着した。

 その事はロイさんも気づいていたらしくこちらに目配せをしてくる。僕は頷きを返すとロイさんは納得したように僕から視線を逸らした。

 

 もしかしてこの流れ的に目くらまし的な魔法を使ってくれるんかな?


「『雷神の一振』」


 ロイさんの魔法によりロイさんを中心として太い雷が円を描くように走った。


 多分これがロイさんなりの合図だろう。

 ロイさんの魔法が丁度僕の姿を隠すような位置になった時、僕は腕をボスの元に向け、纏血を使って拘束した。


「何だこれは!チッ、ナメてんじゃあ、ねえぞぉっ!」


 それをボスは苛立たしげに腕を広げるような形で無理やり僕の纏血を弾き飛ばした。


 ヤベエくらい力強いな。やけどまあ一瞬でも拘束できたんやったらえっか、こっちには頼りになる冒険者がいるしな。


「今ですロイさん!」


「うんわかってる。僕に任せておいて!」


 そう言ってロイさんはボスへと駆け出す。

 ボスは高速から抜け出したポーズから殴るように腕を構え出していたが、到底ロイさんの攻撃には間に合わないだろう。


 そのままボスはロイさんの攻撃を受け、気絶した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ