扉の先には
「じゃあ行くぞ?3、2、1、開けるぞ!」
僕とバンが構えている中で、ジャクソンがそう声をかけ、出口につながっていそうな扉をクランクを回して開ける。
二人で警戒している中、扉を開けた先にはキメラ、では無くゴロツキのような人間が5、6人、武器を構えていた。
多分ここの主人が逃げる時用に今僕らが出てきた場所を守っていたのだろうが、その緊急脱出口からでてきた僕たちに驚くことも無く、扉が動く音に反応して全員がこっちを見て切りかろうとしている。
「お前ら!どっから入り込みやがった!」
「いや、それより雇い主に報告するのが先じゃないか?」
「俺が行ってこようか?」
「そうだな。ついでに外の様子も見てきてくれ。さっきから妙に静かだからな。表から入ってきたヤツらがどうなったのか、知りたい」
そう言ったゴロツキ、えーっとゴロツキCは部屋の外へと出ていった。
「ジャクソン、僕ら追いかけてった方がええか?」
「いや、先にこいつらを殺しておこう。所詮はごろつきとはいえ予想外に強いこともたまにはあるからな。集中して素早くやりたい」
ほへぇ、なるほどな。っていうかコレよう考えたら僕ら初めての殺しやんな。そう考えたらちょっと緊張してきたな。
「なんだカイン。お前、人の討伐は初めてなのか?」
「すまんな。実はそうなんよ、ちょっと緊張するな、って」
「ハッハッハッ!コイツ、殺し童貞かよ、そんなひよっこがこの屋敷を攻略なんて、ましてや俺らを殺すことなんて、できるわけが無いよなぁ!」
「ヒャハハッ!家に帰ってママのおっぱいでも吸ってりゃどうだあ!?」
うっわうわうわ、そんなん言われたらさすがに腹立つよなぁ?こりゃ漫画風に言うとプッチーン!って奴や。...こいつら絶対コロス!
「...『纏血・斧槍』、『ジャンプ』ッ!」
「おい、カインッ!そんな安い挑発に載せられるなよ!クソ、バン、行くぞ!」
「おう、カインはこの戦闘が終わったら説教決定な」
ちょっとやらかしな。初めてやる人殺しでの緊張を紛らわせる為とはいえ、流石にやっちゃったな。何やったら今から人殺すより怖いかもしれん。
まあやってしまったものは仕方なし、って事で今はこいつらの相手をすることに集中してかんとな。
それこそ一人だけで突っ込んでってすぐに死んだ。なんて事になったら流石の僕も死んでも死にきれんからな。