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未だ見知らぬ進化を求めて  作者: まよいネコ
異なる世界との遭遇
12/190

ボス戦や(後編)

はい、休み明け投稿三回目、最終です。

 これで元の更新速度に戻します。

 扉を開けて中に入るとゾンビ化したスライムがいた。つまりボスはコイツなんやろう。

 こいつは地上で出会った時のスライムとは段違いの強さを誇るようで、ただ這いずりこちらに近づいてきてから溶かし始めるのではなく、こちらに触手を5本程伸ばし、僕を溶かそうとバラバラに僕を追いかけてくる。

 ついでにあまり言いたくないがグチュグチュッ、てな感じの音が動く度になっていて、非常に気持ち悪い。


「この世界の人とかってっ!こいつを簡単にっ!倒せるんかなぁ!?っとぉっ!」


 もしそうなんやったとしとら僕もレベルバンバン上げってたらこいつらまとめて三体くらいやったら一振で殺せるようになったりしやんかな?へへへっ、そん何強くなれたらかっこいいなぁ...。


 バチンッ!


「イッテェ!?」


 ぐっ!?そんなことを考えてたら一撃食らってしもうたわ。何とか触手内に捕われる前に逃げ出せたけど次はこうはいかんかもしれん。案の定ちょっと肌が溶けとるし。

 余計なこと考えやんようにして、戦闘に集中しやんと。


 でもとりあえずは近ずかんとどうにもならんな。

 ただ、近ずいたところで僕が持ってんのは木の棍棒のみ、今まではゾンビを倒すだけで済んだから頭を潰すための棍棒だけで十分やったんやけど、スライム系はそうはいかへん。

 地上で会ったスライムやって取り込まれると目に見える速度で肌が解けて。筋肉が溶けていって、って感じやったから、その上位種っぽいこのゾンビスライムは棍棒で殴れば棍棒の方が溶けそうや。

 となると、こいつの核を破壊できそうな手段って言うと、僕のスキルの中では『纏血』しか思いつかん。

 このドロドロの中に紛いなりにも自分の手を突っ込むって考えたら最悪やけど、それ以外には考えられんからな。


 そんな事を考えているとスライムは業を煮やしたのか、さらに自分の触手の先っぽをちぎって投げてきた。ただこの触手はちぎってもダメージはそれ程ないのか痛む様子もなければすぐに生えてきた。まあ、コイツに神経が通っているかは分からないが。

 ちなみに飛んできた触手の砲弾は地面に当たるとそのままの勢いでダンジョンの床が煙を立てて溶けていっている。


「うわ!?アッブナ!...覚悟しろよ、僕?『纏血』!」


 スキルを使用した瞬間左腕に血が集まっているだけ、という状態だったのがその血の部分も自分の一部になったような感覚がし、動かせるような気がした。しかし、このスキルは確か魔力の消費が大きかったはずなのでそんなに長々とは使ってはいられない。つまりは短期決戦だ。


「一気に行くぞ!ドラァァ!!」


  サッ!ザシュッ!


 色んな方向から触手が迫って来る。それを意識的に視野を広くし、どの方角から触手が襲ってくるかを見なければならない。

 ただ、今まで多対1を想定した訓練をしてこなかったのと、予想外の挙動をして来て見切れない部分も多く、時間も経つにつれ集中力がきれたりもするだろう。つまり何が言いたいかと言うと、段々と被弾が増えてくる。

 その時間がない中でも、身をもって痛い目をしながら訓練している、ということもあって技量が上がって来ているのか、少しずつ避けるべき、つまり致命傷になりそうな場所だけ避け、触手の破片でできた弾丸等は『纏血』で作った盾などで弾けるようになって来ていた。

 ああ、それにしてもバッチィわ!マジでゾンビ化したスライムとか最悪でしかないわな!


「さて?僕が近ずいてあんたの核を切るのが先か、それともあんたが僕を取り込んで僕を栄養にしてしまうか、勝負やな、ええ!?」


 初めての勝てるか勝てないか、最後まで読めないような戦いだ、つまりは死闘。これ程緊張し、そして興奮する戦いは未だになかった。

 ゾンビは腕力は高いがスピードが致命的に遅かった。それはスライムも同じだ。なので対応できたのだが、こいつは違う。ゾンビの癖に普通に鞭を振るったような速さで迫ってくる。

 こんな速さで腐った触手を振るってちぎれないんだろうか、とは思ったが、そこら辺はなぜかは分からないが大丈夫なようだ。ここら辺はステータスがある世界での特殊性やろうな。多分防御力とかが関係してんのかな?


 そんなくだらない事を思わず考えてしまいながらも必死で前に進み、横に転びながら避け、盾で弾き、前に走る、それを繰り返すことで無限にも感じられでいたスライムとの距離は大体三メートル程にまで縮まっていた。

 ...ようやくここから僕の間合いやな。


 全力で纏血で出来た剣を振るう!爪を振るう!格子状になった糸を振るう!

 傍から見ればダメージにすらなっていないように見える、それこそ子供のチャンバラレベルで今までに培った技術など完全に無視し、全力で脳ミソをフル回転させコアを探り当てるように範囲の広い攻撃を意識する。

 強力なスキルに頼りきった情けない闘いだったのかも知れないが、今の僕にはこれで精一杯だった。今までゾンビ相手に練習してきたつもりだった武術はあまり練習にはなっていなかったようだ。

 あれはただ練習していたつもりになっていただけで、こういう修羅場にこそ冷静に技をふるうことが出来るようになるべきだったと戦闘が終わった頃に初めて気づいた。


 ガバァァッ!!!


 うわぁっおぉ!?切りまくってる事でスライムが危機に思ったのか、触手で周りから攻める様な攻撃から体を一杯に広げてこちらに上から覆い被さるように迫ってきた。

 ...あ、こりゃ終わったかも。


 そう呆然と、そして極端に集中のし過ぎで遅くなった世界で僕は偶然に見つけた。


 ...核を。


 こちらに覆い被さるまでだいたいあと2秒程か?それまでに核をつき、破壊する!

 ただ、いま左腕の位置は丁度袈裟に振り切り下に向かっている。

 間に合わない?


 本当に?


 ...いや!このスキル手から真っ直ぐ延長のように、と今まで考えて使っていたがよく考えると拳だけではなく肘からでも出せないか?

 いや、間違いない、出来る!


 そう確信し、やって見ると本当に肘から即席で作った杭のような先端が尖ったものが出来た。

 肘から出たという事はここから肘を上にあげることで肘打ちに続けられる!

 ...これなら、間に合う!


「『ジャンプ』!はぁァァァ!!」


 ガン! ボロっ、ボロボロボロボロ...


『経験値を50獲得しました』


『レベルが上がりました』


『『不死者の楽園』ダンジョンの5階層守護者の単独討伐を確認』


『特別報酬及び、特殊階層が解放されます』


 核が崩れていく。そして、核が壊れたことで粘体部分は一瞬硬直したあと、その体を支えきれなくなったように重力に従って落ちてきた。

 ...つまりこのスライムの汚いものが全て自分の体に落ちてくる、という事だ。


「うえあッッ!!最悪!うぷッ、めっちゃ臭いやんけ!...え?それとなんて?報酬に特殊階層?」


 なんや色々もらったけど今はそんなことより新鮮な空気吸って服洗って、そんでめちゃくちゃに寝たい。

 とりあえずいつの間にか置いてあった宝箱が報酬やと思うから、それだけ貰って一旦帰るか...。

 特殊階層のやつ、閉じたりしやんよな?まあ、閉じたら閉じたでそんとき考えるか...。

 いや〜みっちゃ長く書いた〜。

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