若鶏のレモン炒め
だ、題名が思いつかんだ...!
「こんちには〜。あなた達がこりんさん捜索の依頼受けてる人らってことでいいですか?」
受付嬢へ途中経過を話したあとやってきた酒場で同じ依頼を受けたパーティの元へ向かっていた。今回この依頼を受けたのは二パーティとソロ冒険者が一人らしい。
「うん、そうだよ。このリストを見る限り、君たちで依頼を受けた人は最後ってことでいいよね?じゃあ情報交換を始めようか。ちなみに僕はCランクパーティ『紫電』を率いているロイ、って言うんだ。よろしくね。でこっちのが」
「こっちってなんだよ。...ッゴホン!俺は『不退転』のリーダーをしている、ジャクソンだ。まあなんだ、よろしく頼む」
「ジャクソン、照れんなよ。で、俺が最後だな。俺の名前はシンズ、Dランク冒険者だ。早速なんだが情報の共有を始めたい。お前、何か情報はあるか?」
へえ、この人ら会話からするに結構仲ええんやな。依頼中ギスギスしやんでよかった。なんかそんなんやったら気ぃ使っちゃうしな。
えっと、情報やな。僕からは犯人の容姿、使う戦術、まあキメラの大群を使うよっていうあれな?を教えた。
ソロの冒険者、シンズは特に情報なし、まあ一人やししゃあないかな?
『不退転』パーティのジャクソンは同じような被害にあった人数、これは23人らしい。
そして『紫電』パーティのロイからは犯人のだいたい住んでいる場所を教えてくれた。
そしてその場所というのが、この街の南に位置しているスラムその中のどこか。聞いた話によるとスラムは規模こそ小さいものの、地下を違法に広げ、色んなギャング共が住み着いているため、大変広い上に危険なんだとか。
それやったら一番探索する上で楽な方法は現地の人(スラムの人)を雇い案内させることかな?現地の人やったら怪しい場所なんかも知ってるはずやし。
「えっとつまり、ここからやるべきはスラムに入って白衣の男がどこにいるかの聞き込み。見つからんかったら、ええっと...、どうする?」
「そうだな、もう適当なところに殴り込みしかねえんじゃあねえの?どうせ見つかんねえんだし」
「いくらスラムとはいえ、そういうことは最終手段にすべきだと思うな。とりあえず今日は一日使って聞き込み、そうだね夜の鐘が鳴った時にもう一回ギルドへ集合して、それでも情報がなかった時はまあ、そうするしかないだろうね」
「補足するとすればどうせ聞き込みの最中、金でも握らせりゃあ怪しい場所くらいは分かるだろうよ。順々に怪しい場所から潰してきゃあいいだろ」
お、ジャクソンは僕と同じ意見か。うん、まあそんなもんかな。それにしても犠牲者23人か。これだけの数が丸ごと敵になってるって考えたらこっちの数はここにいる全員合わせても9人やし、中々に厄介やな。
「取り敢えず情報交換も終わったし、さっさとスラムに行くとするかな」
「でもカイン、お昼がまだ」
「あ、そやったな。何食おか?んんあぁ、すいませぇん、オススメのやつください!」
「はいよ!今日のオススメは若鶏のレモン炒め、銅貨五枚だね!」
お!なんかめっちゃうまそやん!