表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/34

第9話 少女とスライム

 その瞬間、三島老人の目に白河桂里奈の姿が映った。


「はっ! 白河桂里奈!」

「いえ、違います!」

「もしもし? もしもし? 聞こえないんですか?」


 三島、白河とスライムの声が重なってわけが分からない。

 とりあえず神崎はスライムをつかまえると、白河桂里奈の頭の上に再び乗せてみた。


「はっ! 白河桂里奈が消えた!」


 やはり、そうか。

 スライムを頭に乗せるとこの少女は姿が見えなくなるのだ。

 いや、むしろスライムの方が本体なのかもしれない。などと神崎は思った。


「白河桂里奈がどうかしましたか?」

「いっ、いや、今そこに白河桂里奈がいたのだが……」

「いませんよ、誰も」

「いや、『違います』という声も確かに聞こえたはずなのだが」


 白河桂里奈ではなく、異世界の少女なのだと神崎は考えている。

 いや、そろそろ気づいても良さそうであるが、異世界の住人だと彼は思いこんでいる。

 異世界の住人のことを三島老人にバレてはいけない。


「三島さん、今日はお疲れなのでは?」

「疲れてはいない。わしは元気じゃ」


 神崎は心配そうに首をふった。


「お疲れかと思いますよ……」


 今日はもう帰ってお休みになった方が良いでしょうと、神崎は三島老人に言った。

 そんなやり取りをしている間も、スライムはもしもし? と話しかけてきていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ