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第4話 未成年

 『異世界キノコ』は赤い子実体に白い斑点がブツブツのようについている。

 不気味な姿だ。

 その異世界キノコがそのパンチパーマにくっついていたのである。


 不良生徒はパンチパーマを『異世界キノコ』と言われたと思い、


「い、異世界キノコだと、この野郎」と怒った。

「はい。異世界キノコ……」


 パンチパーマは、言い終わらないうちに殴りかかってきた。

 しかし、神崎は自分ではまったく自覚がないのだが、意外と力が強いのである。

 彼はパンチパーマの腕をつかむとグイと引っ張り、頭についていた異世界キノコをとってあげたのだ。


「とりました」


 神崎はそう言って『異世界キノコ』を見せたのだが、反応が無かった。

 そのとき初めて、どうも自分以外の者にはこういった類のものが見えないようだということに気づいたのである。


 しかし、思わぬ効果があった。異世界キノコをとった瞬間から彼は体調がとても良くなったらしい。

 体調が良くなった理由は分からないが、彼は喜び、神崎のことを無二の親友と言うようになったのである。

 不良達から一目おかれるようになり、神崎のスクールカースト的順位が上がったのだ。


***


 さて、話しを元に戻そう。


 警官はため息をつき、事務所内を覗いた。

 少女はまだソファーで寝ている。

 警官が来ているのに目を覚まさないのだから、なかなかの胆力だ。

 しかも、彼女もまた頭の上に『スライム』を乗っけている。


 それはそうと、ソファーは事務所玄関からまる見えだ。

 神崎はしまったと思った。

 彼女は未成年だ、しかも美少女だ。警官に見られてはまずいか。


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