第24話 戦いの記憶
「(危険です……私から手を離してください)」
ファルコンは桂里奈に言う。
そのとき、生命兵器であるファルコンの記憶が桂里奈の脳に伝わってきた。
とある時、ファルコンは『最初の星』の小さな街にいた。
相棒は幼い男の子であった。
敵は『竜』と呼ばれている高次元生命体であった。
――幼い男の子は竜に飲まれ死んだ。
とある時、ファルコンは『暗き宇宙』の片隅にいた。
相棒はロボット型の兵器であった。
敵は『混沌』と呼ばれている精神生命体であった。
――ロボット型兵器は宇宙の塵となり消えた。
とある時、ファルコンは『水の惑星』の王宮にいた。
相棒はカリーナという名前の王妃であった。
敵は『異界の神』と呼ばれているその世界の王であった。
――王妃は邪な王子を産み死んだ。
いくつも、いくつもの、ファルコンの戦いの記憶が流れ込んでくる。
戦ってきたのは、それぞれその世界の最強の者たちばかりであった。
桂里奈は耐えられなくなり、叫びそうになる。
「(……私から手を離して……)」
手を離そうとする。
しかし、もう遅かった。
ファルコンはツーと白河桂里奈の体を這い、その中に溶け込んでいった。
「(……なぜ……なぜこの星に、おっぱい指数がθ900を超える人間がいるの……)」
ファルコンの言葉が、桂里奈の体の中で虚しく響いた。




