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第2話 白河桂里奈

 困ったなと彼は思った。

 彼女が美少女であったからである。

 美少女は苦手であった。

 世の美少女というのは、自分のようなものを「キモい」と思うものだ。と神崎は経験上知っている。


 困ったのだが、事務所の前でうずくまっているので話しかけないわけにもいかない。


「具合でも悪いのか?」


 神崎は聞いた。すると少女は顔をそむけた。

 ああ、と思う。やはり「キモい」と思われたのだろう。彼は思った。


「お腹がいたいの」


 顔をそむけたまま、少女は言った。

 どうしたら良いだろうか。神崎は考えた。

 警察でも呼ぼうかと思ったが、やめた。彼は警察も苦手なのだ。

 放っておくこともできない。それにもう深夜だ。

 神崎は少女を事務所に入れた。


 神崎は少女をソファーに寝かせ、自分は床に寝た。

 翌朝、事務所のドアを叩く音で目が覚めた。

 彼がドアを開けると見知った顔の警官がいた。


「ここに白河桂里奈がいると連絡を受けた」


 白河桂里奈と言われても誰のことだか分からない。

 それに警官は苦手だ。面倒なので手短にすませたい。


「白河桂里奈とは誰だ?」

「お前は白河桂里奈を知らないのか?」

「知らないが」

「国民的アイドルだ、NHKの調査では国民の99%が知っている」

「まったく知らない。俺はその残りの1%なんだろうな」


 警官はため息をついた。



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