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第四話 春介遼二サイド:ローザの妹?

「では、春介くんの<現神戦武装>も選んでもらったし、次は君だな、有栖川くん。」

「そうですね。では、私はこれにしますよ、会長。」

会長の催促にすかさずに返事した有栖川は僕の前にある豪華な陳列台に並べられている様々な武器を迷いもなく手を伸ばして、<それ>を拾い上げてきた。

「ほう....。随分と君らしいものを選ぶんだな。なとなく、君の元いた国にもそういうのが流儀って感じもするがな.......」

「当然ですね、会長。なぜなら、私は日本人ですからね。こういうのを手にするのはもう慣れてますから。」

それもそのはず、日本の学園に通ってた頃に有栖川は剣道もできるような才女なので、やっぱり、それを選ぶのは自然かと。

そう。

有栖川が手にした<現神戦武装>は、刃が紅色に染まっていて、見るものを恐怖に振るわせられるほどな脅威的な見た目をしている、日本刀に近い形の剣なのだ。


「じゃ~~、姫子っちの武器選びも済んだし~~~、早く行こうよ、ね、遼二っち~~~。街へ買い物に付き合って~~~。」

ぶりっ子モードとなったエリーゼ先輩に右腕をがっちと掴まれた。うあわああーーーこれって柔らくて感触がいいなぁーー。有栖川のとじゃなくて、こっちは<男が癒される感じ>の触れ方が身についたような技術だな。

ガッチ!

ん?痛いーー!

痛覚が発生された左腕を見てみれば、どうやら、それは有栖川によって握られているらしい。嗜虐性たっぷりな笑みを僕に向けてから、今度はこっちの方にいるエリーゼ先輩を目を細めて敵意のようなオーラを飛ばしてきた!そして、すぐに僕に密着してきてきつい。これは、まさに、<両手に花>って感じな展開だな。

「こほんー!こんなところで3人でじゃれ付くのは勘弁してもらえるー?私とローザは生徒会の仕事があるから早くこの武器庫の施錠を済ませたいのだが........」

「その通りですね。もう既に放課後ですから、そういうのは別のところでご自由にやって頂けないでしょうかー?」

今度はじっと目でこちらを見てくるローズバーグ会長とローザさんに苦笑した僕であった。ははは..........


「では、第5学女鬼殺隊メーイビルの隊長を務めるのが春介くんということになってると学園長が決めたので、有栖川くん以外は二人の隊員の座はまだ決まってないけれど、誰を隊に招き入れるのだ?」

この武器庫から出ようと5人で出口のドアに向かって歩き出したら、そうそう聞いてきた会長。

「エリーも一緒に入る~~~入る~~~!いいでしょ~~~~ね~~~?」

「.........しょうがないですね。今、私と地球組である他の二人以外に、春介君ともっとも仲がいいのはそこのエリーゼさんなので、それで良しとしましょうーー。そうですよね、は・る・す・け・く・ん・~~?」

「.........あははは........そうみたいだなぁ。」

腕にきつく握られて痛いんだけどぉ......。

「では、残りの一人は?」

そう聞いた会長なのだが、生憎心当たりがないので、うんんと唸るばかりだ。

で、その時に、

「春介殿。もしワタシで宜しければ、その空いてる座を自分が埋めてもいいでしょうかーー?」

この場のほんの少しの沈黙を破ったのは、他でもない、そこにいる紫色ポニーテールっ子である、ローザさんであった。


1時間後、フォルールナ王都の一隅にある、「エルダスターズ喫茶店」にて:


寮に戻ってから私服に着替えた僕、有栖川、エリーゼ先輩やローザさんはこの王都の一画にあるこの有名な喫茶店にて、僕たちの第5学女鬼殺隊メーイビルとしての活動や今後の方針について話し合うために、ここへと足を運んでやってきたのであった。で、校門に向かう最中に、ルーのやつとも出くわしたけど、あっちもあっちで、既に自分の所属してる第4学女鬼殺隊メーイビルとその同じ隊員であるエレン姫、森川梨奈とネフィールをつれて、神滅鬼の様々な種類と戦うためのこつとか、活動方針を決めたりとか作戦会議をしに別の静かなところである、王城へと歩いていったのだった。エレン姫によると、<エレン王族直下部隊>はこの際にて、ネネサ女王陛下の推奨によって解散となり、それで元々構成されている隊員は僕たちの隊に転入させられることになった、それも学園長が公認してるものである。で、去っていったルーたちを見ると、「あいつ、異世界にきて早々ハーレムを形成しやがったなー!」と思っちゃったけど、僕の部隊にも女子が3人までいるので、人のことは言えないなぁとも思えてくる。


「はわあああーーーーー遼二っち~~~!そのミートパイ~~~一口だけ食べちゃっていい~~?エリー、こういうの滅多に食べてないから~~~~。」

ぶりっ子モード絶賛演技中である先輩にそうねだられたが、またも今朝と同じく、有栖川のやつが、

「ふふふ.......何度も言えば、お分かり頂けるようになるのかしらーー?エリーゼさん?恋人同士でもない君とここの春介君がやっちゃっていけないことなんですよ、同じ食器から食べるのって。間接接吻になりますから控えてもらえないかしらーー?」

「へえええーーーー!?けちけちするなよ~~~~!姫子っち~~~。なら、エリーが自分のフォークを使っちゃえばいいよね~~~?ね~~~~~?」

「それも駄目です。春介君の分がなくなりますからね。」

「うううう~~。けち!~~」

またもどうでもいいことで言い争ってるね、君たち。


「それにしても、<神の聖騎士>様がこんなにもフレンドリーな方々がいるのは少し喜ばしいことであると思いますな。最初はもっと厳かな感じで年上ばかりの大人が召喚されることになるかと不安に思っておりましたけど....。」

エリーと有栖川の不毛な口論を無視してるか、そう僕に小声で話を振ってきたローザさん。横髪を耳からかき上げてラザニア一口を口元によせる仕草はなんとなく妖艶さと色っぽさがあるように見えて、少しだけどきっとしちゃった。

「まあ、僕たちも年相応な少年少女達だからね。喜びもするし、怒りも人並みに表現できる普通な人間なんっすよね。」

無難にそう答えてやると、

「それもそうですね。では、本題に移したいんですけれど、まずはあっちの隊との試合に当たって準備を整うために色んな作戦を練ったり訓練したりチームとしての戦闘態勢を練習する前に、神滅鬼についての知識をどれほど身につきましたか確認したいと思っておりますが、いいでしょうか、春介殿ー?」

「ええ。構いませんよ、ローザさん。」


「では、神滅鬼の10から1までの階級ランクを述べて頂けませんか?」

「ふむ。そうだなーー。じゃあ、まずは一番弱い方から順番に上までへと移行していくね。最弱なのは、ジョドッス級で、9番目のはエレン姫が昔、一匹を討伐したことのある<アングラン>級だ。で、8番目強いのは、グラチーサ級で、7番目強いのはソリグ級だね。次は、......ここの世界に飛ばせれた初日の平野で僕たちを食いそうになってた、あのでかいムカデの外見をしている<サカラス>というヤツは<ラングル級>と呼ばれてるんだよねーー?あの時は君、凄かったよー!あの化け物から伸ばされてきた何本もの触手を槍から放った複数の光線で迎え撃っちゃったからねーー!」

「そうですな。神滅鬼についてのお勉強にも抜け目がないようで、何よりでありますね。」

そう褒めてくれたローザは僕に向かって微笑を浮かべたので、なんか嬉しくなった僕が次の神滅鬼の階級を言おうとしたら、

「あおー!」


ううおーー!なんか、いきなり僕の太ももに超柔らかい感触が乗っかてきたよーー!

柔らかいだけじゃなくて、なんか人肌のような温もりも感じて、それでいてスベスベとした生地の感触もしたので、これはもしかしてーー!

「ふふふふ........」

そう。僕の右隣に座っている有栖川はあろうことか、僕の右脚の太ももの上に自分の左脚を乗せてきたのだーー!なんと心地よい感触なんだろうーーこれってー!

「あの.......急にお黙りになった様子なんですけれど、どうしたのですか、春介殿ーー?」

変な表情を浮かべてしまったか、ローザがいぶかしんだようにそう聞いてきたんだが、まさか本当のことは言えないので、誤魔化してみる、

「いいえ、なんでもないよ。じゃ......続けるね。えっと....次は、んんふーん!ひっー!あはっー!あううぅぅー!」

有栖川が脚をすりすりしやがったので、それにつられてくすぐったくなってる僕。やべーーぞこれーー!気持ちよすぎて男なのに、変は呻き声.......というか、喘ぎ声まで漏らしちまったじゃんかーー!くそー!マジでやめてもらえ、有栖川よーー!人前だぞーー!


と、僕の困惑顔を見てたローザさんは今度、こう言ってきた。

「もし具合が悪ければ、その......この会議は解散にして、寮に戻ってもいいのでしょうけど、どうしますかー?」

気遣いでそう言ってくれたローザさんなのだが、まさかこんな悪戯程度のもので今後のことについての大事な話を打ち切りにするのも申し訳ないと思うので、維持でも我慢して、続けてみるぞーー!

「いや、それは不要だよ、ローザさん!では、<ラングル級>の次に、5番目強いのは.....ひひっ!あううぅー!あん!うふぅー!あはひっ!--」

こりゃ、困難極まりないなぁ、畜生ー!なんか、くすぐった過ぎて、声を発しようとすると、どうしてもこの感触が脳内の伝達系神経を刺激しすぎて、それで変な音を出しちまってるようだ。くそー!なんか、太ももが熱くなって血流も<あそこ>へと集積していく感じで大ピンチなんだけどーー!

「お客様、ご注文のミルクティーをお届けに参りました。」

ローザのいる正面からそれを届けに来た店員さんなのだから、僕たちのテーブル下での<これ>を見つけなくて済むのは不幸中の幸いだった!

「ああー!ファイットレーム様にオスハイート様ですよね!」

今度はなんか、興味を引き立てられたかのように高揚した様子になってる店員さんなんだが、どうした!?

「はい、そうですけど?」

「エリーに何か用~~?」

「それは、勿論ですよー!感謝の気持ちでいっぱいでしたよー私!3ヶ月前、私の故郷である<ミンクス>に襲ってきた神滅鬼をご討伐して頂いたのはエレン姫殿下にご所属になっておられる貴女二人ではないですか!?その時に、女王陛下がお告げになられたその急報をここの公園の大クリスタル映像である<シェフォーニ>を通して知ったことだったんですが、あの頃はここの王都におりましたので、あの怪物が家族のいる町に襲っていったから心配で眠れなかったんでしたけれど、その次の日か二日後に、討伐完了とのご速報を陛下からお聞きになったので、貴女二人もその任務にご参加して下さったとお聞きした時は嬉しすぎて真に心から感謝がいっぱいでいつか会いに行って、直接この胸に秘めて来た気持ちをお伝えしたくてーー!」

今度は興奮した様子でそこの二人と話し込んじゃった店員さんだったが、その間にも相変わらずに、太ももの感触が残ってるので、マジでそれどころじゃなかったーー!


と、そんな危機的な状況に瀕してる僕に、更に追い討ちをかけにくるかの如く、左隣に腰を降ろしているエリーゼ先輩も、有栖川にならって、僕の左脚の太ももに自分の脚を乗せてきやがったーー!しかも、先輩の両脚にはニーソックスが履かれてるので、その生地の心地よい感触たるやーー!くそマジでエッチすぎてけしからんぞーこれ!くっー!先輩に振り向いてみれば、「ふふふ......」と艶美な微笑を見せるだけで、どうやら退かせる気がないようだな.......。いい加減にしろよーー君らーー!と叫びたくなるが、店内には他の客もいて、ローザさんも正面にいるので、なんとかして踏みとどまった。畜生ーー!勘弁してくれよーーこりゃ、立派なセクハラだぞーー!


下半身の<あれ>が危うくもフル元気になっちゃいそうなところに、怪訝顔を深くさせたローザさんが席から立ち上がろうとする様子を見せたところに、

バターーーンーーー!!

勢いよくドアが開け放たれたーー!

何ごとだーー!?

「お姉ちゃんーー!」

その高い声と共にこちらのテーブルに向かって走り出してきた8歳か、9歳のツインテールの紫色の髪をしてる女の子がいるようだけど、誰ーー!?

「お姉ちゃんーー会いたかったよーーー!!」

そう歓喜に溢れてる歓声と共に、正面の席にいるローザさんに向かって、両手で以ってハグしてきたぞ!

「わあああーーーーー!お姉ちゃんの感触だーー!お姉ちゃんの匂いだーー!お姉ちゃんの温もりだーーー!これずっと感じたかったんだーーー!もう、お姉ちゃんなしで毎日を過ごしてきて3ヶ月もーーーぐすっー!えぐっ!うわあああーー!!」

ローザさんの私服であるワンピースにしがみついてるその子供がいきなり嬉しさのあまりか、泣き出したのだけど、一体誰だいーー!? ? そう。その急な出来事で、ようやく両側に座っている有栖川とエリーゼ先輩も観念して、脚を退かしてくれた!マジで助かるわーー!ひゅうーー!


「ローザさん、その子は......?」

「あああ.....この子ですねー?はい。こちらはワタシの妹、エルザーですね。エルザー!嬉しくなってるのは分かるけど、お姉ちゃんは今大事なお話があって、ここにいる3人の級友と会議を続けなくてはいけないので、失礼のないようにまずは彼らに自己紹介しなさいー?」

と、諭したローザさんに「ぅぅーうん!」と物分りよく頷いてから、僕らの方に向き直ってー。え?でも、確かに、先週で、王城の饗宴場でみんなが自己紹介を済ませたその日にはローザさんの出であるファイットレーム公爵家では彼女が一人娘であると述べたのだけれど、じゃあ、その子が妹って、どういうことだーー!??


「......えっと......始めまして、お姉さんとお兄ちゃん達へ。ワタクシはエルザー。エルザー・ワイズと申します。あの......ワタクシは平民の生まれの子ですけれど、ここのローザお姉ちゃんと大の仲良しで、姉ちゃんの家の隣の家の一人っ子でありワイズ家の一員でもあります。えっと......ふーわ!ごめん、舌かんでしまいましたー!あの、ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」

深深と頭を下げながら挨拶と自己紹介を済ませたその子は律儀にもワンピースのスカートの部分を両手で摘んで、礼儀正しいご挨拶ときたもんだから、偉いねーー!なんか、頭に手を置きたくなって、撫で撫でしたい気分だよー。


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