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破壊の粒子、イストローフ

森川梨奈の視点:

「あれって!」

「うおおー!その魔方陣っぽいものってーー!?」

「舞台一帯を覆い尽くしてー??」


「.......来たね、あれ!<ダカリーシュ>だよ!」

ネフィールの思わぬ発言に、3人揃って何か思い出したようだ。

「<ダカリーシュ>って確かーー?」

「うん!あれよね!」


「ええ。今朝の授業で春介と一緒に聞きましたね、授業で。<ダカリーシュ>というのは、この学園の<ナムバーズ>序列9位であるフェルリーナ・フォン・フェリィーがよく必殺業、もとい<最終奥義>として使っている高度な現神術の一つでありますね。」

「にししー!よく覚えてるね、有栖川さんって。授業に熱心なのいいことだけど、たまに息抜きも必要だと思うので、あまり根をつめすぎないように、ね~~?」

「なに暢気なこといってんのよ、ネフィール!?世界を救うために召喚されてきんでしょうー、あたし達?なので、この世界にあるすべての現象と能力、早くも多くの知識を身につけたいのよーー!会長にもそう言われたし、何より、あのカンとか何とかを倒さないと日本に帰らないしーー!」


「そうかーー。まあ、元の世界に帰りたいと思う気持ちも充分、分かると思うんでいいけど。で、その<ダカリーシュ>って効果、知ってるーー?」

「おう!確かに、あれは神使力の消費量が半端なくて、多いから滅多に使われないらしいと聞いたけど、使用したら指定した攻撃対象がそこの魔方陣っぽいものによって足元を地面に括り付けられるようになる技だよねーー?」


「にししーー!そうだよー!その<魔法陣>という言葉は何なのか、初めて聴いてわからないけど、あの円状のキラキラしたものは<行動束縛ナアー>と呼ばれてるんで、技の発動者から半径1キロメートルの距離にいる対象の足元を地面でくっつかせて、動けなくするんだ。もちろん、もし対象が<ロアンヌ>を使って空に浮いていても無駄で、あれさえ下にあったら、上から圧力をかけられるような感覚になり地面へと落下するんだよ。で、そうなったら、技の連続効果として、動けなくなった相手に向けて決め手となる最終攻撃を放つんだ。で、その攻撃は剣の形をしている<現神戦武装>でしか発射できないから、よって<ダカリーシュ>の使用条件は必ず、<剣とそれに近い全般な武器の形をしている>ものを持つ事。」


「ええ。よく私達の世界における距離測定に使われる単位の言葉を覚えてますね、セラッスさん。そして、空にいても(ナアー)さえ下にあれば落下しちゃうというのは、まるで私達の世界における重力みたいなものなんですね。で、その技は<武器限定の攻撃系技>ですよね?」


「うん。あたしもルーくんと一緒にクラスで習ったのよ。で、その技の最終攻撃の手段って、剣の先端から、あれみたいな大きいな白い球が出てくるのよね?」

「そうですね。動けない相手に向かってそれをかまそうとするものです。」


「でもさーー。あの(ナアー)て、確かに発動者より神使力量が2倍以上となると無効化になるんだっけーー?」

「うん!あたしもそれ覚えてるよ、春介くん!じゃあーー、それってルーくんに効いてるってことはルーくんの今の神使力量があの女より2倍以上にも達してないってことなのーー!??」

「そうみたいね、森川さん!まあ、言い換えれば、早山さんの今の神使力量はあのフェルリーナと拮抗してるか、少し上回るって証明になるんだよね?」


「まあ、早山君のことですし。きっと、それも無事に乗り越えて勝利を収めるに違いありません。そうでしょう、森川さん!」

「あいつの身体、頑丈だからねーー。」


そう。何を心配することがあるんだろう?あたしのルーくんは絶対にあんなんで負ける訳がないのっーー!信じてるよ、ルーくん!なので、勝って帰ってきてー!あたし達のもとにーー。


_____________________


「はああああああーーーーーーー!!!!」

フェルリーナの雄叫びを聞きながら向かってきてるあの10メートルにも及ぶ巨大な真っ白な球からの着弾に備えるべく、身構える俺である。まあ、構えるも何も今はここから一歩も動けない状態にあるんだけどな。はああ........


それにしても、マジでデけえーーな、おい!

しょうがない。

あれを使うしかないよね、うん。

そうと決まれば話が早い。

さっそく、<あれ>を。


「シュウウウウウウーーーーーーーーーンンーーーー!!」

着弾の寸前に、そんな吸収する途中の音が強く舞台上だけじゃなくて、観客席にいるみんなの耳にも木霊した!


「--!!!!!--」

驚愕に満ちる表情を浮かべるフェルリーナ。


それもそのはず、今の俺の前には黄金色な三角型な盾が5メートルに及ぶ大きさが展開され、彼女の放り投げてきたあの真っ白くて巨大な10メートルの球を吸収してる途中にあるからだ。

そう。

なんらかの現神術から発せられた攻撃用の技を吸収し、無効化させる。


これは俺の<神の聖騎士>としてのもう一つの権能、<聖金の剛盾せいぎんのごうじゅん>である。


昨夜、夢の中でまたも大母神からの声を聞けて、この<神の聖騎士>だけが使用可能な現神術を授けてもらったんだ。どんな現神術の攻撃からも防げると本人から聞いたけど、条件は常に、<攻撃してきた相手の神使力は自分より2倍以上にならない場合>にだけ限定される。


「............あり...........」

ショックで固まってるフェルリーナ。宙に浮いていて、ぽかんとした表情で下にいる俺を凝視してる。


「........ありえないーー!!なんなのよーー!あれ!!私の<ダカリーシュ>を吸収してるその盾はーー!??あんな現神術、聞いたことないし、見たこともないわーー!あんたって一体何者なのよおおーーーーーー!!!!!??」


もう訳が分からなすぎてか、いきなり大声あげながら慌てふためいている様子になってる。

「いい砲撃だったぜ、お嬢さん。今度はこっちの番だけど、受け取れるのかな?それとも、恐怖でお漏らしでもしてるから動けないのか?なら、手加減してやってもいいぜ、御・主・人・様~~~。」

「~~~~~!!!!!!~~~~~~」


今度、俺の挑発が頭に来たか、怒りに満ちてる顔で俺に向かってくる。さっきの攻撃で、神使力もほぼ出し尽くしたし、現神術の使用はおろか、神使力を四肢に纏って攻撃することもできないため、その<ロアンヌ>の効果が数秒間後に切れたら、身体能力は俺たちの元いた地球の普通の女の子と同程度になるはず。


「<マンドラム>の分際でーー吠えるんじゃないーー!!!!!黙りなさいよーー!!!黒くて見に耐えない駄犬よーーーー!!!!!!!」

躍起になってるっぽい様子で上から向かってくる彼女だが、しょうがない。俺も乱暴な事するのも飽きたし、ここは授業で初めて習得した現神術で迎え撃とうじゃないか。


「<アラヤン>!」


そう。今度は大母神が授けてくれた以外の<現神術>を使おうとするんだ。今でも感じるけど、授業の一環として梨奈や他のクラスメイト達と体育館にいた時に最初にこれを実際に発動しようとした時は少々、手間取ってしまって、何回も試して無駄に終わったが、結局は成功させて見に付いた最初の技である。


感覚としては身体中に流れるオーラみたいなもんが放出する出口である手に集積していく感じ。最初はくすぐったくて、集中するのに難航したけど、何度も試していけばその感覚もなくなり普通に放てた!今までの<現神術>は大母神から授けてもらったので、自動的な感覚として神の聖騎士としての権能の一部が働いて簡単に使ったが、それ以外はみんなと一緒に普通に勉強していくしかない。


「ひぐっーーーーー!!!!」

俺の手から、圧縮した空気が放たれて、フェルリーナに当たった!

空に弧を描いて後方へと吹き飛ばされた彼女は舞台上に落下した。


終わったな。もう神使力量も底に達してるし、戦えるような状態じゃないだろう。

「これで終わったな。まだ気絶してないようだけど、俺も鬼じゃないし女の子相手をこれ以上乱暴な攻撃はしたくない。なので、降参してくれないかな?」

俺の忠告に耳を貸さないか、よろよろと立ち上がりながら憎悪のこもった目で俺を睨んでくる。


「降参......降参するものか!!私はまだ終わってないわーー!!」

と叫んだが、ただの遠吠えだ。力を使い果たしたんだから説得力皆無でなんの覇気も感じないな。

「あのさーー。俺も一応、紳士な男でありたいと常々心かげてきたんだよ。でも、駄々をこねすぎると、さすがに辛抱強い俺も相応な対応をせざるをえなくなるんで、どうかご投降して下さい、お嬢さん!」

それでも気丈に鋭い眼差しで闘志を絶やさずにレイピアを構えようとする。

しぶといな、こいつーー!

なら、俺もしかたなく、やるべきことをーーー。

と、彼女に向かって、足を踏み出していく俺である。


エレン姫の視点:

「終わりましたわよねーー。」

「そうですね、殿下。<神の聖騎士>である早山様ですから、当然な結果です。」

「エリーもルーっちの勝利、前から信じてたんですよ~~~~。あのいじめっこに負けるわけないって~~~~。ね、会長っち~~?」

「当たり前だ。早山君は真っ直ぐだから、きっとシェレアーツ様がいち早く、何か特殊な能力をお授けになると昨日の時点で確信してきたぞ。」


「アタシも.............そう思いました.............」

最後のリシェール、声が小さすぎて聞き取れませんけれど、でもきっと同意見でしょうね。そうですわ。今、その舞台上で、大技を使って神使力をたくさん消費したフェリィーはもう早山様には勝てませんの。


森川梨奈の視点:

「勝ったな、ルーの奴!」

「うん!もうあの女をこの学園で見なくて済むようになったね。そうでしょ、ネフィー?」

「にしし!そうだね!あの子、自分の家の名声を盾に去年から態度でかいんで、取り巻きにいじめられてた子も何人かいたと生徒会で話し合ってたらしいんだ。それ以降も特に進歩がないままで迷惑をかけられてたけど、簡単に退学にはせずに過ごしてきたけど、これで解決だねー!」


「そんな問題児、前にもありましたか?」

「いたにはいたけど、彼女は内の学園にとって特段に一番やっかいな大問題児だよーー。精神病とか何とかいってたっけ、内の会長が。」

そんな子、よくここに通わせてきたのよねーー。まあ、これでルーくんを一生傷付けることはなくなるので、安心しちゃうわね。

おめでとう、ルーくん!


_______________________


「まだ諦めないのか?」

「.......あたり....前だ!!伯爵令嬢であるこの私、フェルリーナ・フォン・フェリィーが真っ黒くて醜悪な外見してるあんたに負ける訳がないじゃないーー!黒犬さんーー!!」


「いや!もう投降しろーー!俺にそこまでの恨みはないはずだーー!もし胸に触ってしまった件にまだ根に持ってるようならば、またも謝ろうーー!だから、もう終わりにしよう、なあーフェルリーナ嬢よ?俺もお前とこれ以上争いたくないし、なあ!?お前もそこまで融通が利かないほど頑固な訳ないし、なあー!?」

「五月蝿い!黙れ!黒犬のくせに私の何が知ってるというのよーーー!!?私が何年に亘って、鬼のような訓練を経てここまでに至ったと思ってんのよーー!!」


「いや、俺はお前のことなにも知らないし、知りようがないんだ!だから、ここはお互い引いて、今度はいくらでも町の外の平野なり、山の中なりで、お前からの再戦を個人的で受けるんだ。だから、今はー」

「黙れ!黙れ!黙れ!黙れ!黙れ!黙れ!だまーー!??れっーーー!!??」


ん?なんだ、あれーー??

急に口ごもってるかのようにぱくぱくと開閉してるぞ、彼女の唇がーー!


「うぐー!がっーー!ぎぎーー!!ぎっーー!!」

今度は歯軋りにあるかのように、変な音を出してぱくぱくし続けるけど、なんだあれーーー!??


「ううおおおおおおおがああああつーーーーーー!!!んんんんんぎぎぎぎいいいーーーー!!!!!!ぁぎゃああああーーーーぎぎぐーー!!!!!んぐううっーー!!」


恐ろしく変な喘ぎ声?とも呼べるようなおかしい悲鳴を上げる彼女は激痛に耐えるかのように地面に寝転がってのた打ち回ってるけど、どうしたんだーー!!???って、この気配はーーー???


「ううううおおおおおおオアあああああああああああーーーーーー!!!!!」

強烈な叫び声を上げる彼女は立ち上がりながら、背を弓なりにしてこの世とは思えぬほどの不気味な咆哮を上げ続ける。って、なんだ、この神使力の激流はーー!!??


そう。彼女の身体から流れ出してくるのは、はっきりと目で見える程の眩しい虹色な光がある。色とりどりなそれは四方八方に、無差別な本流を撒き散らせて、強風を吹き荒らしてきたーー!!なんだ、その異質で不安定な神使力はーーー!??

って、あれはーー??


「ぐぐぐぐぐぐーーーー。」

まるで理性を失ったかのように言葉を一切発しなくなった彼女は目も空ろでこっちを向きながら、四つばにしゃがむ!


「ぐぐううおおおおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!!」


台風が来そうな爆風が巻き起こされて、虹色な神使力を放出させてる彼女のそれは観客席にまで当たりそうになったけど、会長の障壁で阻まれた。やばいな、ありゃーー!!あれほどの重くて異質な神使力は初めて見たーー!この一週間で何度もエレン姫たちが訓練と手合わせで神使力の放出を見てきたが、あの色と禍々しい雰囲気は初めて!って、フェルリーナの顔を見てみれば、なんか変色し始めるぞ。というか、なんか耳もさっきと違って、今度は尖ってるように見えるけど、って!なんじゃ、ありゃあーー!?


「んんんんんぐぐぐぐううう..........」

そう。今、俺の前には四つんばいになって、耳が尖って皮膚が赤色にまで変貌を遂げたフェルリーナがいる!

_______________________


エレン姫の視点:


「何なんですの、あれは??」

「エリー、それ初めて見たよ~~~。ね、エレンっち、なんで彼女そんなすがたになってるの~~~?ね~?」

「激しい本流だけじゃなくて、明らかなに歪な神使力の暴発とその見たこともない虹色だ。そして......」

「ああ.......間違いないなあ。その尖ってる耳、そしてその赤い肌色.......まるで文献と本で読んだ、伝説の<ミスダン族>その物の外見に変貌したみたいだな、フェリィー君が」


「いいえ、会長!それはありえない話ですわ!<ミスダン族>は確かに神話の時代に、<神族>と共に謎な病気にかかって滅んだはずだと文献や授業で何度も聞かされましたわ!」

「でも完全に全てが滅んだという保証はないだろう?確かに、あの昔話を聞いた限り、彼の種族は神族共々滅亡させられたんだが、もし生き残りがいたとすればー?」

「なら、種は存続してきたといっても納得のいく説明ですね、会長?」

「そうだな、ファイットレーム君。その仮説自体、それほど荒唐無稽ではない話だ。むしろ、理に適ってるとも思う。違わないか、シェールベット君?」

「そ.....それは.....」


でもおかしいですわよね?フェルリーナは確かに人間族だったはずですの!一体何の訳があって、その姿に変化したといいますの?<ミスダン族>って元々人間に化けられる特殊な体質でもあるというんでしょうか?否!デタラメすぎてついていけませんわーー!というか、早山さん!!彼、大丈夫でしょうかーー?? と、慌てて思考を遮断して、大事な彼の方に視線を移動させたわたくし..........。


森川梨奈の視点:


「何あれーーー!??」

「ありゃ、大変なことになってきちゃいそうだな、有栖川?」

「ええ。もう事態が呑み込めてないけれど、あれは確かに尋常じゃありませんね。明らかに今のフェルリーナさんは異状です。普段の彼女の姿と完全にかけ離れ過ぎますよ!」

「わたしもそう思う!あの姿!間違いないんだ。授業でよく聞いてきた、<ミスダン族>の外見特徴とそっくりだよ!森川さん!」

「うん!分かったわ、ネフィー!」


そう。どんな経緯があったかにせよ、今のフェルリーナは明らかに異常状態なの。あの異質で歪な神使力もその一環と見て納得な話なのよ!つまり、ドラッグもとい麻薬を摂取してその変貌に至ったと考えても無理のない話し!なにが言いたいのかというと、つまりこれは明らかに試合に対して、違法で想定外な展開なの!もしルーくんに危険が及びそうと判断したら、あたしは参戦するわ!


と、そんな思いを決めたあたしは隣にいる仲間3人を見回してみると、

彼らもあたしと同様、同じことを思いついたのか、真剣な表情で頷いてから、前にいるルーくんたちに視線を戻した。


__________________________


「ごあああああああああーーーーーー!!!!!」

「--!!!---」

そんな咆哮が轟いたと同時に、猛烈なスピードでこっちへとバネのように跳んで来たフェルリーナ!!


「うぎゃああああーーーー!!!!」

前の動きより何倍も早かったので、目で捉え切れずに気づかぬ内に後ろへと吹き飛ばされた俺である。

どうやら、強烈なパンチが飛んできたらしい!


バックフリップで着地した俺は体勢を整え直そうと姿勢を正すが、もう遅かった!信じられない速度で直ぐに目の前にいる<それ>は何回かに亘ってのパンチを食らわせてから鋭い上段向きの蹴りを見舞いしてきて顎に直撃!


「があああっーー!!!」

超痛かったぜーー!


「ぐおおおおおおおーーーーー!!!」

それで遥か上空へと吹き飛んだ俺へ虹色の神使力を激しく撒き散らせながら、咆哮を迸らせたが、なんか今度は彼女の全身から紫色と黄色が混合したような微細な球が夥しく噴出されて太い複数の線を描いて、何本かの触手のような個別に移動できる肢体となった。

「なんじゃ、ありゃー!!」

それぞれに蠢きだしたあれは俺に向かって自身の手足すべてを捕らえた!


「くそーー!離せーー!!」

「ん?痛いいいいいいいいいーーーーーー!!!!!」

そう。その球に包まれた俺の手足は電撃にでも当てられてるかのように痺れるような激痛を感じはじめた!


エレン姫の視点:

「会長!あれは!」

「ああ.......あの紫色と黄色が混合したような微細な球、間違いなく、破壊の粒子、<イストローフ>だな!」

破壊の粒子。それは授業や文献で習ったことがありましたわ。確かに、カン・ウェイと一騎打ちだったムラン将軍とその軍団が<リヴァス核>によって戦場ごと消滅させられたんでしたっけ?戦場だったブルノアー高原に調べにいった調査部隊によると、破壊の粒子、通称<イストローフ>がそこのクレーターで残滓を採集したとかいいませんでしたっけ?

!!!!


早山さん!!!

危険を察したわたくしは直ぐに彼の救出に向かうべく跳躍した!


「シェールベット君、待って!!」


__________________


うぐううーー!!!

身動きがとれん!

これじゃ、やられる!

「ぎゃあああああああああああああああーーーーー!!!!!!」

またも電撃のような激痛が身を襲う!


「はああ.........はあああ...........」

視界が眩む。全身が痺れて鈍痛が絶えない。このままじゃーーー。


「はああああーー!!!!」

そういう雄叫びを聞いたと同時に、なんか切断された音が聞こえてきて、おう!

俺の身体、自由になった!

と感じたら、今度は落下し出したと自覚した俺であるが、


「よっとー。」

何者かによってお姫様だっこに抱きかかえられてる俺。

というか、腕だけじゃなくて、全体が柔らかすぎるぜ!これってまるで女体そのものじゃないーー!!??


と、視線を上へ移動すると、

「ご無事ですか、早山さん?」


にっこり顔で優しい笑みを綻ばせてるエレン姫がいる。

綺麗すぎて、神々しくて、それに女性の割りにかっこよくて、俺、泣き出していい?

と、ドキドキしだした俺であった。


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