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「ブラッド…」
「あの人…何してんだ…」
「ま、まぁ…リリアナの安全の為にはいいんじゃないか？」
三人がコソコソと話していると…
「待て…リリアナがピンチでリード達を呼ぶと思うか？」
ファイが二人を見る。
「「思わん…」」
「だろ？」
「ならあの道なんに使うんだよ…」
「…もしかして！」
「自分の為？」
「あのむっつりスケベの黒い獣なら有り得る！」
ガルムがチラッとリリアナを見ると…リードやナッツと楽しそうにご飯が食べられそうな場所を探して歩いていた…。
「でも…リリアナは普通にリード達に会える手段としか思って無いだろうな…」
それを取りあげられる？
「ふふ…嬉しいなぁリードとナッツにこれでいつでも会えるね！聞いた時はよく分からなかったけど…荷物を運んでくれるし…寂しい時は会えるし…」
「いつでも呼んでよ！僕らすぐ駆けつけるよ！」
「はい！どんな仕事より優先します！」
「ありがとう。でも自分のお仕事を優先してね」
リリアナは優しいリードとナッツの頭を撫でていた。
三人は顔を見合わせると
「よし！ブラッドに二人だけの専用の通路にする様に言おう！」
「そうだな！よろしくファイ！」
「頼むぞ！ブラッド様が通れないようにどうにかしとけよ！」
「任せて！」
三人は固く手を握りあった！
「リリアナ、困った時もちゃんとこいつら呼ぶんだぞ？」
シュカがリリアナと楽しそう話すリード達を見ながら話しかける…
「困った時？」
「そうだ、さっきみたく嫌がらせを受けた時だって、なんで俺達に言わなかった？」
「嫌がらせって何？」
「リリアナどうしたの？」
リードとナッツが目を釣り上げる。
「い、嫌がらせなんて受けて無いよ！あれは間違えちゃっただけでしょ？」
リリアナが違う違うと手と首を横に振る。
「不愉快な言葉かけられたんだろ？」
「不愉快…？」
「嫌な気分になっただろ？」
「うん…だけどそれは私が何にも知らなくて…あの人達を怒らせたから…いつもならちゃんと出来るのに…お義母さん達の時は怒らせないように出来てたのに…」
「アイツらは別！」
「リリアナ！もうアイツらの事は忘れなよ！アイツらはアイツらできっと幸せに暮らしてるよ…」
「ああ！その通り！俺達が幸せならアイツらも幸せだからな」
「？」
リリアナがリード達を見て首を傾げる。
「お前はもう少しわがままを言え。他人を頼れ。ちゃんと女達に言い返せるよう強くならなきゃ駄目だ」
シュカが厳しい顔でリリアナを見る。
「言い返す…」
「そうだ、お前は客で彼女らはお前をもてなす立場にいなきゃならなかったんだ、それを教えてやる事も優しさだぞ！」
「優しさ…」
「今…俺がお前に言ってるのもお前に傷ついて欲しく無いからだ…わかるか？」
「うん…シュカさんの真剣な顔でわかる…」
「なら少しづつでいいから、自分の気持ちを押し込めることをやめるんだ、お前はもっと自由にしていいんだからな」
シュカさんが大きな手をリリアナの頭に乗せる。
「うん…」
「先ずは…アイツらで練習するか？」
シュカはコソコソと話しているファイ達を見ると…
「えっ？ファイ達で？」
「慣れてるアイツらならやりやすいだろ？」
「大丈夫大丈夫！」
「リリアナの言葉なら笑顔で頷くよー」
リードとナッツもうんうんと頷く。
「よ、よし！わかった！自分の気持ちに正直にだね！」
リリアナは気合いを入れてファイ達の元に向かった！
