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「ファイ、ガルム先輩、シシオ先輩大丈夫ですか?」
リリアナが心配そうに三人を見つめると…
「僕ら?勿論大丈夫だよ!何かあった?」
ファイがとぼけると…
「ううん!なんともないよ…ファイ達が大丈夫ならいいの!お店はもういいの?」
リリアナがお店を覗き込もうとすると…
三人がリリアナの視線に割り込む…
「大丈夫!大丈夫!この店イマイチだったね~今度はもっといい店に行こうよ!」
「そうだな!腹減ったし飯食おう!」
「お!いいね!そうしようぜ」
三人はリリアナの肩を掴むと優しく誘導すると店から遠ざけた…
シュカが店で団子状態になってる4人に…
「このまま終わったと思うなよ…後で正式に魔王城から沙汰を言い渡されるだろう…」
「「「ヒィ!」」」
恐ろしさに顔が歪むと…
「逃げるなよ…逃げたりしても必ず見つけ出すからな…」
シュカがギロっと睨むと…
女達は恐ろしさのあまりさぁーっと髪が白く染まり…バサバサと抜け落ちていた…。
気分の悪い店をあとにして、みんなで移動しながらお店を探すと…
「リリアナは何が食べたい?」
ファイがリリアナに笑いかけると…
「さっきとは偉い差だな…」
「全くだ…」
ガルムとシシオが呆れると…
「うるさいよ、そこ…」
ファイがニコっと笑いかける
「さっきってなあに?」
リリアナがファイに聞くと…
「あの店の女の子達に比べてリリアナは可愛いねって話だよ」
そう言うと…リリアナの顔が曇る…
「えっ…そんな事無いよ…私はあんな可愛くなんて出来ないもの…」
「何言ってるの?あんな風になる必要なんて無いよ、リリアナはそのままでいいんだよ」
「そのまま?」
「そう!そのまま!なぁ?」
ガルムとシシオに同意を求めると…
「ああ!ちゃんと気を使えて…みんなに優しいし…何が悪いんだ?」
ガルムが聞く
「そうだ、何にでも一生懸命で真面目で…そんなお前だから俺たちだって助けたいって思うんだぜ」
シシオが頷く
「それにあの子達に比べ物にならないくらいリリアナは可愛いしね!」
ファイがウインクをすると…
「ふふ…お世辞でも嬉しい…ガルム先輩もシシオ先輩もありがとうございます!」
リリアナに笑顔が戻ると…
「お世辞じゃないんだけどなぁ…」
ファイが苦笑いをする…
リリアナが元気になると
「実は今日の為にお昼ご飯用意しました…よかったら…みんなで外で食べませんか?」
リリアナが提案すると…
「リリアナの手作り!?食べたい!」
「新作か?」
「それは食べないとな!」
「楽しみだなぁ…」
みんなが笑顔を向けると…
「よかった…じゃリード!ナッツ!お願い」
リリアナが影に向かって声をかけると…
「「はーい!」」
リードとナッツが飛び出して来た…
「お前達…なんでそこから…」
ファイが驚いていると…
「ブラッド様が繋げてくれました!」
「リリアナが呼べばいつでも駆けつけられるようにな!」
大きなバケットを持ちながら誇らしげに言った。




