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「ねぇ…お姉さん達…その服可愛いねぇ」
ファイが笑顔でルル達の側に戻ると…
「えー!そうですか?」
ワンオクターブ高い声でルルが答えると…
「あっ違うかな?お姉さんが可愛いの間違えだ…」
ルルの手をとりじっと瞳を見つめると…
「君達みたいな可愛い子はなかなかお目にかかれないね」
「ファイ?」
ガルムがなんかおかしいとファイを見ると…ジロっとガルムとシシオを睨む…
二人がビクッと固まり様子を見ていると…
「なぁ…お前達もそう思うよな…」
ファイが二人に声をかける。
「…ああ…」
「…そうだな…」
二人はどうにか顔を作って答えると
「だろ~」
ファイが笑う。
「さっきいた子より可愛いですか?」
そんなファイの様子に気が付かずにナナが調子に乗って質問すると…
「……勿論だよ」
ファイが笑って答えた。
ガルムとシシオは目しか笑っていないファイに寒気がした…寒いはずなのに背中に汗が垂れる…。
ガルムとシシオは目を合わせると…
「そうだね、君達の方が可愛いよ」
「ああ…大人っぽいしな」
ファイの意見に乗っかると…女達は気分よく…
「よかったぁ~最初、私達に気がないのかと思ったあ~」
「ねぇ~あんな子に夢中なのかと…笑っちゃった!」
「本当だよね~ジュースも知らない田舎モンだったもんね~」
ピキッ…
「…それってどういう事?」
ファイが甘い声で話しかける…
「さっき…ジュースの事を聞かれたんだけど…状態で砂糖水だよって言ったら本気にしてるの!」
「そんな訳ないのにねーそんなのも知らないなんてわざとよね~」
「きっとおにいさん達に好かれようとしてたのよ~」
(それはお前らだろうが…)
「えっ?」
ルルがファイが何か言ったが聞こえずに聞き返すと…
「…なんでもないよ…そっか…知らなかったんだ…」
ファイがそう返すと…
「だからぁ私達特別美味しいジュース入れてあげたんだぁ~」
「ふふふ…あれは傑作!」
「きっと泣いて喜んだよね~」
三人がキャッキャ笑っている。
「どういう事だよ!」
ガルムが我慢できずに女達に声をあげると…
「リリアナに何をした!」
シシオも立ち上がり女達を睨む。
「こわぁ~い!」
「何怒ってるの~」
「私達何にもしてないし~」
女達がファイに擦り寄ると…
「離れてくれる?汚い雌豚共…」
ファイがニッコリ笑って立ち上がった…




