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「えっ…僕達に?」
ファイが驚きリリアナを見ると…
「うん、私だってみんなにプレゼントしたいなって思って…ファイ…いつもいつも本当にありがとう!」
そう言って、ファイと同じ色の石が付いたアンクレットを差し出す。
「ファイが鳥になった時の脚に似合うと思うんだ」
「ありがとう~リリアナ!大事にするね!」
ファイが早速足に付けると
「ガルム先輩とシシオ先輩にはコレです…」
「「お、俺たちにも?」」
「いつもご指導ありがとうございます!よく…コップで喧嘩してるので…」
リリアナが三つのコップを出すと…
「この茶色がガルム先輩、アイボリー色がシシオ先輩、紺色がルーダさんです」
「ルーダの分まで?」
「コレで〝俺のを使ったのは誰だ!〟ってなりませんよね」
ニッコリ笑って差し出すと…
「ああ…コレなら間違えないな!俺の使ったら殺すからな」
「それは俺のセリフだ!リリアナからのコップ大事に使うな!ありがとう」
「ルーダにいる?僕が貰おうか?」
ファイがルーダのコップを取って眺めると…
「いや…ルーダ、第二島に行ってるんだぜ…このくらいご褒美がないと…」
「それはあいつのリリアナへの態度が悪かったせいだし」
「「…確かに…」」
「ファイ、意地悪しないでルーダさんにあげてね」
リリアナが困ったように笑ってファイの頭を撫でると…
「リリアナが言うなら、しょうがないなぁ~」
ファイはご機嫌にコップをガルム達に返した。
「それで、シュカさんにはコレを…」
リリアナが手の平サイズの板を渡すと…
「なにこれ?写真立て?」
ファイが覗き込んで答えると
「今度ブルーノさんと一緒に写ってる写真持ってきますね…この前部屋の荷物片付けてたら見つけたので…これに飾って下さい」
「そ、そうか…ありがとう、楽しみにしてるぞ」
シュカが大事そうに写真立てをしまった…。
「なんか喉渇かない?どっかでちょっと休もうか?」
ファイがいい店がないかとキョロキョロと見回すと…
「かっこいいおにいさん~!良かったらうちに来ませんかぁ~」
可愛い店先からフリフリの服を着た店員のおねえさんが声をかけてくる。
「みて、あそこの男レベル高くない!後ろの男達も…まぁまぁいいわね」
「おじさんはお財布かしら、後は小娘が一人…いけるわね」
お店の女の子達がファイ達に狙いをつけて…可愛く誘いをかけていた。