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「さぁ!気を取り直して出かけようぜ!」
「そうだな!嫌な思い出を塗り替えよう」
「そうだよ!リリアナ全部夢だと思っていいんだよ!」
三人に行こうと背中を押されて…
「はい!魔族の国楽しみです!」
リリアナは気を取り直して笑顔で頷いた!
城の外に出ると…
「リリアナは飛べないからねとりあえず馬車を用意したよ!」
門の外に馬車が用意されているのをファイが指さすと…
「すっげぇ…馬車なんて乗ったこと無いなぁ…」
「俺も!走った方が速いもんな!」
ガルムとシシオが珍しくと馬車を眺めていると…
「あっ!乗れるのは三人だから、お前達は走って付いてこいよ」
ファイの言葉に…
「「えー!」」
「酷い!」
「俺も乗ってみたい!」
ガルム達が文句を言うと…
「じゃ…私が走りますよ!先輩達が乗ってください!」
リリアナが走る為の体操を始めると…
「リリアナはいいんだよ」
「でも…先輩を差し置いて私が乗るなんて…」
ファイがガルム達を睨みつける。
「あっ…俺達…走りたい気分…」
「俺も…腹空かせたいしな…」
引きつった様に笑って答えると
「ほら!先輩達がああ言ってるんだから…」
「そうだ…お前の足じゃ付いてこれないだろ。いいから乗れ、上司命令だ」
シュカが早く乗れとリリアナを急かすと…
「はい…じゃすみません、先輩また後で…」
「おう!」
「気にすんな!リリアナ!また街でな!」
リリアナとシュカが先に乗り込むと…
「全く…よけいな事言わないでよ!リリアナを走らせる所だっただろ!」
ファイが二人に言うと…
「ファイが五人乗りを用意すればよかったんだろ…」
「そうだよ!折角リリアナと馬車に乗れると思ったのにさぁ」
「お前達が一緒に乗るなんて100年早いよ」
ファイは文句を言うとさっさと馬車に乗り込んでしまった…
「100年たったら…リリアナは…」
「リリアナって人なんだよな…」
「短いな…」
後少しの時しか一緒に入れない事に気がつくと…
「今日は楽しませてやろうな」
「ああ!先輩としていいとこ見せないとな!」
二人は動き出した馬車に付いてきながら今日のプランを話し合っていた…。