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途中休憩を挟みながら第二島の側まで来ると…
「はぁ…」
ルーダがため息をつく…ムーマを見ると、目を閉じて心を静めているようだった…
「もう少しで着くよ…」
「おっ、おう!この氷だけは頼むぞ!」
「はいはい…じゃ濡らしながら行くか…」
あとはこの海を超えれば島が見えてくる、ルーダは海水にムーマを浸けながら飛んでいった…
「ぼぶぶぅ…ばばばぁ…」
海水に浸かりながらムーマが何か叫んでいる…
少し上にあげると…
「何?」
ルーダが冷たく聞く
「顔にかかってるんだよ!もう少し上を飛んでくれよ!」
「だって氷溶けないぞ…いいのか?」
「うっ…じゃ我慢するから…よろしく…」
再びムーマは海水に入れられた…
島が見えて来ると…適当な岩場を見つけて、
「じゃ落とすぞ」
「ああ」
ルーダは高く上に上がり岩場の上にいくとムーマを離した…
がんっ!
何が砕ける音がすると…岩場の上でムーマが蹲っていた。
ルーダがムーマの上に降り立つと…
「大丈夫かぁー?」
「ど、どうにか…でも…ちょっと休ませて…」
ムーマはそう言うとパタッと気絶した。
「お待たせ~」
ファイがリリアナを連れて食堂に着くと笑顔で声をかける!
「あれ?ファイ?」
ガルムとシシオがファイが来た事に驚くと…
「僕ルーダの代わりに来たの!今日はよろしくね!」
「ルーダはまた…なんかしたのか?」
シュカさんが奥から出てくると
「違うよ、ハク様のお仕事でちょっと第二島まで届け物を届けてるんだ!」
「「「第二島!」」」
三人が驚くと…
「なんでそんな所に…」
ガルム達が顔を顰めると…ファイが三人に説明する…。
「あいつ…!!」
「約束は今日の筈だろうが!」
ガルムとシシオが怒りの声をあげると…
「リリアナ…大丈夫だったのか?」
シュカがキョトンとしているリリアナに心配そうに声をかけると…
「昨日の夜…あれ?夢じゃ無くて…」
「あっ!」
ファイがしまった!と顔を手で覆うと…リリアナの顔が赤く染る…
「わ、私…あれ?何処から本当で何処から夢…」
熱くなる頬を抑えて必死に昨日の事を思い出そうとすると…
「リリアナ…大丈夫だ。気にするなムーマが来たら俺達がキッチリと締めてやるからな」
シュカが落ち着けとリリアナの肩に手をおくと…
「う、うん。ムーマさん?別に大丈夫ですよ、気にして無いから…それより…」
ブラッドとの事は…夢…それとも…
リリアナは熱い頬を抑え続けた。




