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「この料理はあなたが?」


リリアナはチラッとビーズを見るとリリアナを睨みながら不機嫌そうに頷く。


「は…い」


「おや、女性の様な声ですね…よく見ればせんも細く女性らしい…」


ルシファーがリリアナを上からじっくりと見ていく…その目が合うと、リリアナは違和感を覚えた…


「貴方様は…髪の毛を染めていらっしゃるのですか?」


唐突で不躾な質問にビーズが口を大きく開けて唖然としている…ルシファーも驚き目を見開きリリアナを見つめ返した。


「…何故そう思う?」


ルシファーの声が少し低くなる…ビーズは慌てて


「ルシファー様!申し訳ございません!この者には後できつく言っておきますので…リリっ!…お前!もういいから下がりなさい!!」


ビーズがリリアナを下がらせようと近づくと…


「私はその者の返事が聞きたい」


先程までの甘い声でなく…背筋がゾクッとするような冷たい声だった…


リリアナはルシファーに見られると…


「申し訳ございません…大変失礼な事を…」


「理由をいえ…」


リリアナの謝罪を止める。


「…ルシファー様の髪は…金色に輝き…大変美しいですが…わた…僕はルシファー様は黒髪の方が美しく…似合うと思いました…そう思うと…その…金色の髪に違和感を覚えてしまって…大変失礼致しました」


リリアナはめいいっぱい頭を下げた。


「…わかりました…ビーズ…」


「は、はい!」


ルシファーは立ち上がると、ビーズの手を取る。


「今日はお招きありがとう…あなた達に会えてよかった…また会っていただけますか?」


「も、もちろんでございます!」


ビーズの顔が喜びで溢れる!


「よかった…近いうちにまた知らせを走らせます。食事も大変美味しかったです…ですから…あの者の発言は無かったものとしましょう…」


そう言ってリリアナをチラッと見ると…


「まぁ…ルシファー様は心まで美しくてらっしゃる…寛大なご処置ありがとうございます」


ビーズがフワッとスカートをあげて礼をするとそのまま手を引かれて外まで見送って行った…。


ルシファーが帰ると…ビーズは鬼のような形相でリリアナに近づく…


「お前は!まともに受け答えも出来ないのか!ルシファー様が気にされなかったからよかったものの!お前のせいで私達まで嫌われでもしたらどうするつもり!」


パンッ!


リリアナの頬を平手で叩く…リリアナは叩かれた頬を押さえて


「…申し訳ありませんでした…」


「全く…ルシファー様のあの美しい髪を黒髪が似合うなどと…二度とルシファー様の前に顔を出さないで頂戴!」


「はい…」


リリアナは小さく頷くと部屋に戻ろうとする。


「何処に行くの?」


ビーズがリリアナを止めると、


「ここの片付けをしておきない!」


それだけ言うと、ビーズ達は部屋を出ていってしまった…。


リリアナは一人静かに食器を片付け始めた…。

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