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「ルーダ!」


ファイがご機嫌にルーダの部屋に向かうと…


「あっ…ファイ…」


ルーダが突然の訪問に驚くと…


「ハク様からの言伝だよ、明日ムーマを第二島に連れて行ってくれだって」


「だ、第二島に!?なんで俺が!しかもムーマが?あいつ何したんだよ…」


「リリアナに酒を飲ませた」


「何!」


ルーダがファイルに詰め寄ると…


「大丈夫なのか?リリアナって…」


声を落とし…周りを伺うと…


「リリアナって…人間だろ?人間の子供は酒はダメなんじゃないのか?」


他の者に聞こえないようにコソコソと話すと…


「まぁあいつはそれを知らなかったけど…それでもこんな時間にリリアナを連れ回して…あんな肌を出した服を着せやがって…まぁ…似合ってたけど…」


「はっ?」


話がそれた…


「いや…着替えさせて酒が飲める店に連れてったんだ…」


「そ、それで?リリアナは大丈夫だったのか?」


「大丈夫、眠りこけちゃったから部屋にブラッドが送り届けてるよ…」


「そ、そうか…」


ルーダがホッとすると…


「だ、か、ら、ムーマをおしおきの為に第二島にね!」


「まぁ…自業自得だな…でも俺明日リリアナ達と出かけるのに…」


「何処に行くの?」


ファイが興味深そうにしていると


「食堂のみんなでリリアナに町を案内してやろうって…」


「ふーん…じゃルーダの変わりに僕が行くから大丈夫だよ!安心してルーダはムーマをおくりとどけてきな。ハク様の命令だからね!」


「そ、そんなぁ~」


有無を言わさぬファイの笑顔にルーダはガックリと肩を落とした…


ファイが来た時と同じようにご機嫌で帰って行くと…


「はぁ…明日皆んなと行きたかったなぁ…しかも第二島…」


体がブルッと震える…


「どうしよう…俺も厳重に装備しておかないと…しかし…あいつも馬鹿だなぁ…」


ムーマを思うと…


「あれ?もしかして…俺も間違えればそうなってたって事か?」


自分がリリアナに会って最初にやらかした事を考える。


「俺…よく助かったな…」


今になり体が震える…


「リリアナがフォローしてくれたからだな…」


あの時にリリアナがブラッド様から庇ってくれた事を思い出した…。


「俺…リリアナにもう頭が上がらねぇな…」


しかしその事があまり嫌では無いことにルーダは苦笑する…


「まぁ…職場が一緒だ…また行く機会はあるだろ…」


ルーダは残念な気持ちを誤魔化し、明日の為に眠りについた。

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