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「う、うーん…」
差し込む朝日に目を覚ますと…
「あっ!」
リリアナは自分が眠り込んでしまったことに気がつく!
「ブラッドが来る前に寝ちゃった…」
リリアナが慌てて起き上がると…トントントンと部屋をノックされる。
ブラッドかと思い扉を開けようとすると…
ガチャッ!
「あれ?扉が開かない…」
ガチャガチャと何度か回すが外から鍵がかかっている…
「リリアナ、はいるよ」
聞き覚えのない声が聞こえると、リリアナは部屋の奥へと逃げて様子を見る…
ガチャ…
鍵を開けて入ってきたのは…可愛いネズミの耳がついてる子供だった…。
「か、可愛い…」
思わず見つめると…
「「リリアナ!」」
二人がリリアナを見つけ嬉しそうに近づいてくる…
「えっ…」
初めて見る二人だったが…向こうは自分を知っているように近づいてくると…
「リリアナ!会いたかった…」
「大丈夫でしたか?」
二人はリリアナのスカートにガシッとしがみつく…リリアナは思わず二人の頭を撫でながら…
「ごめんね…会ったことあったかな?思い出せなくて…」
眉を下げて謝ると…二人の可愛い耳がシュンと垂れる。
(可愛い耳…)
頭を撫でながら耳もチョンと撫でると…あの二匹を思い出す。
「ふふふ…この耳…リードとナッツみたい…」
栗色の髪と耳を撫でると…友達だった二匹の姿を思い浮かべる…。
「「リリアナ!」」
二人は自分達の名前を呼ばれて
「俺ナッツだよ!」
「私はリードです」
「えっ?」
「ブラッド様に頼んで魔族にしてもらったんだ!やっとリリアナと喋れた!」
ナッツが嬉しそうに尻尾をピンと立てると、
「リリアナネズミの時は助けていただきありがとうございました…これからはリリアナを私達が助けます!」
リードがペコッと頭を下げる…
二人に目線を合わせるべく座り込むと
「本当の本当にナッツとリード?」
リリアナはどう見ても子供の姿の二人を見つめると…
「「そうだよ!」」
双子のようにコテンと笑う。
「二人共可愛い…でも…魔族になってよかったの?他の仲間たちとは…」
「大丈夫何時でも会えるし、それよりも俺たちはリリアナと居たいんだ!」
ナッツが笑いかけると…
「ありがとう…私も嬉しい!また二人に会えて…」
リリアナはナッツとリードをギュッと抱きしめた…。